第4章 新たな仲間
樹海が広がる景色
だが所々に獣の爪痕が残り、木々が枯れている
獣の爪痕を観察するように眺めるクライヴとヒルト
「クライヴ、やっぱりあの時俺たちを襲った魔獣と同じ爪痕だ」
「あぁ、だったら俺の魔力で誘き寄せれるな」
ニヤリと笑うクライヴに、ヒルトは大剣を構え
ユリエフ、イリヤ、ライセイに隠れるよう伝え
クライヴの視界から消えるように隠れた
「ーーーー来い、《ダーク・スネイヴル》」
それはまるで悪魔の生業といえる技であった
蛇が蛇行するように畝る闇の触手は
クライヴの右手から湧き上がる黒い炎を元に発生し、樹海の木々に絡みついていく
魔力、生命力を吸い上げる触手は
瞬く間に樹海を枯れ果てさせる
「ヒルト君、彼は一体何をしているのですか?」
「クライヴの闇を使って、周囲の魔力や生命力を闇のエネルギーに変換しているんだ
変換されたエネルギーは空気に漂い、強い魔族をおびき寄せることができる。
あの力を使えば、ライセイとイリヤが探している魔獣は現れるはずと思う」
不安げに問うユリエフに、ヒルトはまったく怯えず
まさにこの光景を何度も見てきたかのように
冷静に答えた
「実際にあの技で魔獣をおびき寄せたことがあるって口ぶりだな」
「あるさ。
偶然だったけど、クライヴが暴走しかけた時にあの技を使い、
周辺の魔力や生命力エネルギーは闇のエネルギーに変わり
魔獣が現れた。
その時は見逃してしまったけど、特徴的な外観だったから
今でも覚えてるよ」