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IN DREAM2

第4章 新たな仲間


「ライセイ君
その右手はどうなされたのですか?
もし良ければ、私の治癒術で傷や怪我なら治しましょうか」
ユリエフの気遣いにライセイは己の右手を見つめ、冷たく言い放つ

「必要ねぇよ。これは、傷跡だから。」
「それも、治せますが・・」
「体についた傷じゃないってことさ」
ヒルトの言葉にライセイは曇った表情が和らぐ
「暗黒戦争か、過去の辛い傷後がその右手にある
だから包帯で隠してるんだろ?
他人や己の視界に入らないように」
「ヒルト、お前すごいな
どうしてわかるんだ?」
「包帯が少し色褪せてる。
肉体的な傷で、頻繁に包帯を替えるなら多少の汚れはあっても
そこまで色は落ちない
ということは、ここ1ヶ月は替えてない・・替える必要がない事だと思ったんだ」

「流石はインドリームのリーダーだな
その通り、この右手は俺の人生を狂わせた全てがある」

右手を抑えら俯きながら話すライセイ

「暗黒戦争で龍族が滅んだ本当の理由
それは俺の兄、トレイタス・ラゾーラが一人で龍族を殲滅したからだ」
「!」
「天族でも消息を絶った龍族の捜索をしていましたが
そのような手掛かりは掴めていませんでした」

「そりゃそうだろう
トレイタスは龍族の領土全てを異界の狭間に送り、そこで一族は虐殺されたんだ
・・トレイタスが何のためにそんな事をしたのか、俺にはわからない。
けど、あいつは最後に俺の魔力と生命エネルギーを奪って姿を消した」

ライセイの重い背中を見つめ、ユリエフは言葉を詰まらせる

「そこまでされると、エネルギーを失った肉体は灰になって消えるはず
どうやってここまで力を取り戻したんだ?」
「ーーーそれが、トレイタスに殺されかけてからの記憶がないんだ
気がついたときには、イリヤが遺跡の中で俺を看病してくれてた」
「そうか・・」
「だから俺は、イリヤの力になりたいし、あいつと同じインドリームになれてよかった
といっても、目が覚めた時にはインドリームとして覚醒していたから
どうやって選ばれたのかはわからないけどな」
包帯で巻かれた右手を空にかざし、遠いどこかを眺めながら話すライセイ
先に歩いていたイリヤとクライヴは足を止め、あたりを見渡した

「この場所が最後の目撃場所だよ」

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