第4章 新たな仲間
イリヤの突拍子な質問に、クライヴは冷静に段々と答えた
「なるほどぉ
自分探しの旅ってことだね?
記憶がないってことは、種族もわからないの?」
「あぁ・・。
闇を操る能力も、種族のせいなのか、闇堕ちだからかわからない。
だが、ヒルトと旅をしていくうちに少しずつ記憶が戻っていくのを感じ、最近わかったことがある」
「わかったこと?」
「俺は、恐らく人間という種族ではなく
別の・・長寿が特徴の種族であったと思う
お前の遺跡もそうだが、古代の遺物に触れるとその知識を思い出す。
それはかつて、自分が過去にそれに触れ、知識を身につけた証拠であるのだとーーーー」
「長寿の種族・・沢山ありすぎてそれだけじゃあ検討つかないね~
でも土族の遺跡に精通していたのなら、イリヤと同じかもね!」
「どうだろうな。
作り手の土族は自分達が作り上げた遺跡の特徴は知り尽くしても
破壊方法や罠の潜り方、急所などの情報は共有しないだろ」
クライヴが何を言おうとしたいのか
イリヤはすぐに理解した
自身の記憶が無いことに、多少の慰めを込めて
身近な族であったのではないかと、話すイリヤ
だが、クライヴは蘇る記憶から推測するに、土族ではなく、土族に敵対する立場であった
そう言おうとしたのだった
「確かに、同族同士、作り上げた要塞の弱点は共有しないかな。
でも今のクライヴの記憶だけで断定は出来ないけど
きっと大物だったんじゃないかな」
「は?」
「うん、土族の遺跡や要塞の弱点を昔から知ってるなんて
凄いことだよ!
それを知る人物は土族の中では長老級のトップだし、他種族なら沢山の知恵を身につけなくちゃわからないことだしね」
「・・・そうか、お前の気持ちは受け取っておこう、イリヤ。
ところで、お前はライセイとどうやって出会った?」
「彼はーーーー」
イリヤとクライヴが話す後方で、ユリエフはライセイの右手に包帯が巻かれているのを気にかけていた