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IN DREAM2

第13章 青い炎




茂みをかき分け、アドラの気配が感じる場所まで走っていくジェイクはすぐに足を止める
「なんだ?
アドラ以外の気配を感じる」
木に隠れながら慎重に行動するジェイクの瞳に先に映ったのは
両手に鎖を持つアドラの両親の背中だった
(どうじて両親がこんな所に?
ここよりもっと後方で待機してたはずじゃ?)
予想もしない現状に混乱する中、両親の対に立っていたのは火族の暗殺部隊長のバリスタン・レジオルと、漆黒のフードで顔を隠した10人程の配下達。
円状に陣形を組みながら魔術の演唱をする配下達は、全身血まみれのアドラを抱え、魔方陣の中心へ寝かせる
「!?」
すぐにアドラと呼びたかった
だが、今叫ぶとまずい
なぜかそんな危機感が的中したのだ


「バリスタン殿
息子は・・問題ないか?」
アドラの父親は心配そうな表情でバリスタンに問う
その問いは親であれば誰しもが持つ当たり前の感情
対してバイルタンは手際よく事を進めながらアドラの止血を進めながら〝問題ない〟と一言つぶやき、怪しげな魔術を発動させる

赤い炎と漆黒の呪印がアドラの真上に浮かびあがり、すぐに脳内へ埋めこまれる
直後、意識を失っていたアドラは目を見開き、もがき苦しみながら叫び声を上げる
「縛り上げて無抵抗にさせろ」
感情が一切ない命令口調で告げるバリスタン
配下は魔術で、アドラの両親は鎖で拘束し、誰も混乱することない

(な・・・にが・・・起こっている?!)
抵抗力を失くし、無抵抗になったアドラは抜け殻のような表情となり、それを見つめてアドラの母親は悲しみではなく歓喜の表情と涙を流していたのだ
「これでアドラはまた戦えるわ」
「ああ!
無駄な友情なんてものを忘れ、火族のためだけに力を使用させる
能力は持っていないが、こいつは才能がある
不要な事は忘れさせ、戦いに必要な事のみ吸収させよう
今回の任務が失敗した事も、覚える必要のないことだ
目が覚めた頃には、俺達が与える記憶が根付いているだろうしな。」
「息子の後始末は親であるお前達がしろ。
俺は残った仕事を済ませる」
「はっ!
バリスタン様。
では、私達は失礼します・・ご足労おかけしました」
アドラを抱え、両親は姿を消した
直後、硬直していたジェイクの背後にバリスタンが立っており、気がついた時には勢いよく拳がジェイクの顎を砕き、先魔でアドラが倒れていた魔方陣の中心へ飛ばされる
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