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IN DREAM2

第13章 青い炎



ジェイクは頭部に巻いていた鉢巻を外し、額に刻まれた特高勲章クラスの印を見せる
「これは特高勲章クラスにしか与えられない印だけど、同時に呪いも刻まれてるんだ
俺は額に・・アドラは胸に付けられている
この呪いがある限り、俺もアドラや他の火族は生まれた時から操り人形同然なんだ」

幼いジェイクとアドラの隣には、いつの間にか産みの両親が立っており、戦闘民族とは思えない普通の親子の表情で共に時間を過ごしていた
それでも、額に片手を当てながら、悔しそうに語るジェイク
「あの頃の俺は何もわかってなくて
ずっとアドラと笑って過ごして生きていけると思ってた
戦うのも自らの意志で決め、何を守り、何を犠牲にするかの覚悟は人それぞれが持てるものなのだと。
・・・・けど、そんな夢はなかった」

暗く語るジェイクの話に合わせ、風景は一変する
「!」
周囲は薄暗く、血の匂いが充満した森の中にヒルトとジェイクは立っていた

「俺が真実を知ったのは、大華祭の半年後だ」

息を切らし、右腕が人体の構造上曲がるはずのない方向へ曲がり、背中から血を滲ませ森をかけ走る幼い頃のジェイク
その先ではアドラの悲鳴が響き渡り、ふらつく足に力を入れこみながら必死にアドラの元へ駆け寄ろうとしていた

「この時、俺とアドラは闇族を暗殺するために任務についていた
けど、闇族は圧倒的な身体能力を持ってて任務は失敗した
だから後方で控えていた両親と合流するためにアドラを連れて逃げるつもりだったんだ」

今にも倒れそうな過去のジェイクの背後からは、四足歩行で迫る闇族が追って来ていた
全身闇に包まれ、瞳は赤く光らせ、長い舌から涎をまき散らしながら疾走して死角から襲うと飛びよる
「危ない!」
思わずヒルトは過去のジェイクに駆け寄り、手を伸ばす
だが、過去の光景に実態はなく、ヒルトの手をすり抜けていく
「くっ!」
すぐに振り向き、再度手を伸ばそうとした瞬間
空中から勢いよく炎の剣を持った少年が降りかかり、闇族一刀両断した
「!?」
悲鳴を上げることなく、闇族は灰となって炎と共に消える

「大丈夫か?」
そこには現在のジェイクと瓜二つの姿をした少年が立っている
彼は自らの名をヒエンと語り、炎の剣を収める
「あいつが本物のインドリーム。
俺はあの時、偶然ヒエンに助けられたんだ」
「本物のインドリーム・・あんな幼い時からインドリームに?」
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