第13章 青い炎
「大丈夫だよユリエフ
俺は仲間を守るって決めてるんだ
俺一人の勝手な判断で皆を不安にさせたり、危険な状況に追いやることはしない
・・信じてくれ」
「はい・・」
「ねぇヒルト
もしもの話だけど」
「どうしたんだ、アラン?」
「もし、ジェイクが魔族になったり闇に堕ちてしまっていたら、どうするの?
インドリームとして倒すわけ?」
アランの問いは、誰もが思っていたが口にしなかった事。
ヒルトが信じるならきっと今までのように、ジェイクは仲間として戻ってきてくれるはず
そんな淡い夢を抱いて矢先に、現実を突きつける問いだ
「アランは、あのジェイクが魔族になれると思ってるのか?」
「え・・・?」
「ジェイクは魔族になれないよ
インドリームだからとかじゃない
あいつ自身が持ってる夢がそうさせないんだ」
「な、なに言ってるのよ!
そんな保証はどこにもないのよ
あたしはもしもの事を想定して確認してるよのヒルト
仲間を必ず救うっていう気持ちはわかったけど、そうならない事だってあるでしょ
その時、どうするのか仲間として知っておきたいのよ」
「アラン・・・」
ヒルトはアランの瞳の中に恐れという感情が渦巻いていることに気づく
だれよりにジェイクと過ごした時間が長かったアランにとってみれば、もし魔族化していればインドリームとして倒す必要があるからだ
そうなった時、アランは手を下せないとわかっている
「魔族になっていればどうするか・・・それはその時のジェイクの状況に応じて対応を変えようと思う」
「どういう意味?」
「魔族だからってすべて倒す必要はないってことだよ
見境なしに倒すっていうなら、それは虐殺と同じだから。」
ヒルトは自らすべての魔族を倒す気はないことを明確に仲間に伝える
魔族だろうと魔物だろうと、闇堕ちだろうとそれぞれが意志を持ち、平和へと導かれる夢を持っているなら倒す必要はない
インドリームは世界を混沌から救うための力であり、世界から全ての魔族を消し去る為に使用するものではないと語った
「ジェイクがもし、魔族化して暴走するなら倒すんじゃなくて止める。
意思を取り戻した後は真意を確認するまでは何もしないし、それを魔族だからって理由だけで武器を取るやつがいるなら、俺はインドリームのリーダーとして応じるつもりだ」
「魔族になって暴走しても、匿うつもりなの?」
