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IN DREAM2

第13章 青い炎




ジェイクとローランが待つ異空間にたどり着く前、クライヴは何もない闇の中をまっすぐ歩いていた
暗闇に道も空も壁もない、ただの無の空間に対して
ヒルトやユリエフ、アラン、ライセイ、イリヤ、アンリは不自然そうな表情で付いてきていた

「異空間に入った途端、俺の風が強制的に消えて
歩く事になるのも驚いたけど、もっと凄いのは本当にここには何もないんだな」
「当たり前だヒルト
ここは現実世界と異空間の狭間だ
何かあるわけないだろ
ゲートにあるといえるのは空気だけだ
まぁ、それぞれ異空間に繋がる道は多数存在するが、その説明は今度でいいだろう」
クライヴは握りしめていたヴァンの弾丸を見つめ、ラルザを呼ぶ
「我が主人よ、何なりとご命令くださいませ」
すぐに駆け寄り、軽く頭を下げながら語るラルザに
クライヴは小声で命令を与える
それはヴァンの魔力に反応して銃弾が正しい道を示すため、先頭に立って指揮するように、というものだった
すぐに両手を差し上げ、クライヴから銃弾を受け取ると、ラルザは命令通りに動き始める

「お前たちに話しておきたいことがある」

突拍子もなく語るクライヴに、ヒルトは仲間達と目を合わせながら
どんな話か詳細を確認していく

「異空間にたどり着けば、まずはジェイクとヴァンが現れるだろう。
その時、ジェイクの相手はヒルトだけでしてほしい」
「俺一人で?」
「なぜヒルト君だけでジェイク君の相手を?
私達は手を出すなということですか?」
「そうだユリエフ
おそらくジェイクは俺たち全員を相手にするつもりはない
そんなことすれば勝機がないのはわかるからな
だからこそ、ヴァンが付いてくる
奴の力は未知数だが、攻守のパターンを多岐にわたって変えれば対応できるはずだ。」
「ヴァンの相手をあたし達がして本当に大丈夫なの?
ヒルトだけでジェイクと戦うなんて危険じゃ・・・」
「そこはヒルトを信じるしかないぜ、アラン
これは仲間を信じれるかどうかで結果が変わる
そういうことだろ、クライヴ?」

ライセイの自慢気な表情に続き、クライヴはゆっくりと頭を上下に降り、同意する
更にヒルトも否定的な感情はなく、賛同しながら自らジェイクと一騎打ちを図ると伝えた
「俺、ここ最近ずっとジェイクが夢に出てくるんだ
もしかすると、あいつと炎の力自身が何か伝えたいのかも。」
「伝えたいこと?」


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