第13章 青い炎
放たれる無数の弾丸に対し、アランは凝縮した水の壁を作り上げて銃弾の猛威を防いで行く
厚さ20センチしかない水の壁の中はインドリームの力によって渦潮と高度な水圧で満たされており、ヴァンの銃弾を全て水の中で止めて瞬時に錆びていった
「水使いの人魚、お前面白い技使うじゃねぇか
前に会った時より腕を上げたな」
「それはどうも。
そういう貴方は以前より大したことなさそうね」
「へぇー
なら、試してみるか?!」
ヴァンはマシンガンを更に変形させ、新しい銃の精製へ魔力を溜め、マシンガンは鉛の塊へ形を戻していく
溶けた水銀のように光沢を浴びら、徐々に形が出来上がる
だが、直ぐに鉛は内側から砕け散り、破片は空中で浮きながら留まった
「あ?」
体の一部のように操っていた銅鉄が突如粉砕され、ヴァンは破片の周囲に強力な電磁波が発生していることに気付く
電磁波はライセイの拳の力と比例して力を発揮し、銅鉄が銃へ変形させないように抑止している
「へぇー
俺の武器から奪おうって算法ね
だけど、力比べなら負ける気がしねぇぞ」
ヴァンは目を見開き、魔力を増幅させて砕け散った破片に術式を組み込み無理矢理電磁波から引き離そうとしていく
「くっ」
眉間に皺を寄せ、ライセイは必死に抵抗する
ライセイの力による磁力操作と、ヴァンから放たれる純粋な魔力の衝動
どちらかでも魔力が傾けば形勢逆転となる瀬戸際
ヴァンの強力な力によって右手の拳が広がりそうになるライセイ
それを左手で抑え、なんとか踏みとどまろうとする中
ヴァンの背後にはクライヴの大鎌が迫っていた
「よっと」
上半身を沿わせ、横降りされた鎌の刃を避けつつ、後方転換しながら義足に仕込んだ小型の刃物でクライヴへ反撃していく
(こいつ、片手でこんな俊敏に動けるのか!)
クライヴはヴァンからの反撃が片手とはいえ
予想以上に早く、防ぎきるのが精一杯になる現状に僅かな焦りを感じた
「おらおら!
次々といくぜ!」
俊敏且つ、一撃一撃が重く、自在に武器を変形させることヴァンとの戦闘方法について、クライヴは仲間達と事前に打ち合わせしていた事を思い出す
それはまだ、異空間の狭間で歩いている中での話ーーーーー