第13章 青い炎
「お?
素直じゃねぇか
結構結構!
そんじゃぁ、いっちょ行くか!」
二丁銃を瞬時にクライヴに焦点を合わせ、魔力が宿った銃弾を放つ
二つの銃弾は高速でクライヴの目前へ迫る
だが、避ける事なく銃弾は弾かれる
「あ?」
地面から突起した煉瓦の壁がクライヴを銃弾から守ったのだ
ヴァンはその正体がイリヤの能力だと知り、口元をニヤケさせ、更に銃弾をイリヤとクライブへ目掛けて放った
「大地よ、盾となり我を守れ!」
イリヤは同じ技で銃弾を弾き返そうと力を使う
だが、大地の壁にふれた銃弾はその場で爆発し、魔力の破片が飛び散り更に小型の銃弾となって後方で構えているユリエフへ目掛けて飛んでいった
「ほぉら、支援系ががら空きだぞ?!」
ミリ単位の銃弾が襲ってくる中、そのすべてを目で捕え、剣で弾き返したのはアンリだった
「アタイの目を甘く見るな、死にぞこないの元帥め」
「やるね、奴隷女
んじゃ、次は―――」
「次なんてないわ」
「!」
ヴァンは全身に絡みつく水の糸に気付き、更に上空で雷の魔力を感じ取る
「唸れ、雷よ
我が声に応え、汚れた敵を打ち砕け!」
ライセイは右手に魔力を溜め込み、雷を凝縮させたままヴァンの心臓を狙って投げ打った
天から降り堕ちた落雷のように、瞬く間に閃光化した槍はヴァンを貫いた
だが、そこは心臓ではなく、右肩だった
「あの槍を避けたのか?!」
アランの隣に降り立ち、ライセイは再び槍を構える
機械が焦げた匂いが漂う中、ヴァンは痛みを感じることなく貫通した肩を眺め、首に巻いていた焦げたマントを捨てる
「うんうん、なるほどな
やるじゃねぇか、おもしろいぜ!」
無邪気な子供のように明るい反応を見せる
「クライヴどうする
あいつにもう同じ奇襲は通じないぜ」
「焦るなライセイ
ここに来る前に伝えた通りに動け
奴と戦うには、いかに多くのパターンの連携攻撃を行い、予測を上回るかが重要だ」
「・・・そうだったな
それに、クライヴの予想が正しければ、ヒルトを信じればこの場は乗り越えられる」
「あぁ。
ジェイクはヒルトに任せて、俺達はこの男の相手をすることに専念しろ」
「なーにごちゃごちゃ言ってんだ?
ま、いいか!」
ヴァンは再起不能となった右腕ごと拳銃で吹き飛ばし、踏みつけてただの鉛の塊へ変える
だが、すぐに鉛はマシンガンへ変形し、銃口をアランへ向けた
