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IN DREAM2

第4章 新たな仲間


イリヤは小柄な足で地面を蹴り飛ばし、体とは比例しない力が空間全体に響いた
地響きと共にイリヤの足元から岩石の壁が何重にも出現
呼応するかのように、円卓に広がる居住区が右往左往に動き
風景はまっすぐな街並みとなり、一本道となる

「すごい!」
「難攻不落の要塞とよばれている理由が感じ取れますね」

目を疑う光景にヒルトは反応しきれなかった

「さぁ、付いて来て!」





イリヤを先頭にヒルト、ユリエフ、クライヴは歩き続けた

人気が一切感じない街
全てが土で作り上げられた四角い箱のような家々が並ぶ

「この街は、暗黒戦争時代に土族が作り上げた物なのか?」

「そうだよ
みんな追い詰められて、この中で戦争が終わることを祈るしかなかった
容易く敵が攻めてこれる要塞ではないけど、それでも確証はない土の壁。
食料だって、育てはできるけど数と種類に限りがあるしね」

「ここに住んでいた人達は?」
「みんな戦争が終わってからは地上に戻って
汚染された領土を浄化しにいったよ
イリヤは訳あってここに暫く過ごしているんだけどね」
「その訳とは何なのでしょうか?」



足を止めるイリヤの前には巨大な壁画が広がっていた
人が地面を掘り起こし、魔法を唱え、植物が生えていく絵
太陽を拝むように跪き、天使から加護をうける絵
壁を築き、敵との戦いを防ぐ絵
ゴーレムを作り上げ、ゴーレムと共に暮らし、最後にはゴーレムから宝石を授かる絵
様々な壁画に目を向けるヒルト

行き止まりと思われる空間だが、イリヤが
壁画に手を当てると壁の絵が生きてるかのように動き出し
壁が砕けた


「ライセイ、入るね」

イリヤが開いた空間の奥にうずくまるように座る少年を
ライセイと呼び、優しい口調で話す

布で全身を覆い、特徴がまったく掴めないが
遠くから見てもわかるほど細身で小柄な体をしていた

「ーーーーイリヤ、そいつらは?」


相手を疑い、そして憎しみに満ちたその声は
少年だった
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