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IN DREAM2

第13章 青い炎




「よぉ、ヒルト
その様子じゃあアドラの過去も、さっき俺とローランさんが話していた光景も見たんだな」

「この場にいる全員見たさ。」

炎の不安定な力に影響されるのはヒルトだけだと想像していたジェイクにとって、予想しない返事だった
「・・そうかよ」
低い声で呟き、手甲に炎を宿す

「ジェイク、俺は戦いに来たんじゃない
お前に聞きたいことがあるんだ」
「はっ!
何だよヒルト・・・最後の会話になるだろうし、聞いてやるよ」
完全に馬鹿にした口調で話すジェイクに対し、ヒルトは表情を崩さなかった

「ジェイクが持っている夢を聞かせてくれ」
「夢?」
「そうだ。
アドラを炎のインドリームにして、自分が死ぬのが本当の夢なのか?」
ヒルトの問いに、僅かに眉を顰める
「違うはずだ。
アドラを助けるためなら、夢を捨てちゃいけない
今のジェイクはアドラの言いなりになることで、アドラの夢を叶えようとしてる
それしかないと思ってるから。
けど、本当はそんなことが夢じゃないはずだ」
「・・・知ったような口で喋べるなヒルト。
俺の夢は昔も今も変わらない
友を・・アドラを自由にさせてやることだ」
「けど、それをするのに命を落とすのは嫌だと思ってんだろ?
じゃなきゃ、こうやって俺達と話さないはずだ
ジェイクは失いたくないんだろ?
本当の夢を。」
「ちっ。
イラつくんだよ、その知ったかぶりの顔をするお前・・
アドラの過去を観たからって、知ったかぶるなよ!
お前に俺の何がわかるってんだ、あぁ?!!」

手甲の炎は怒りに応じて燃え盛り、殺意の瞳に闇を宿らせる

「破滅の鐘を撃退し、街で演説した時もそうだ
お前は何も知らないくせに世界を闇から救うだの、誰もが笑って暮らせる世界にするだの、綺麗ごとばかり並べてる!
腹立つんだよ、お前みたいな無知な奴がインドリームのリーダーだ?!
笑わせんなよ!
世界がそう簡単に綺麗になるもんか!
自分の子供を捨て、戦闘兵士に育て上げ、犬死させて戦火を広げることが一族の誇りだと豪語する民族がいる!
そいつらは魔族じゃないのに、根本的狂ってやがるんだ!
そういう奴らは死んで転生でもしない限り変わらない・・・」
「・・・」

怒鳴りながら声を荒げるジェイクに、ヒルトは何も言わず、まっすぐに目を見つめる




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