第13章 青い炎
「・・・・インドリームの力は夢によって共鳴する
遺跡でヒルトは俺の過去の一部を夢でみていた
それはあの遺跡で過去、俺が力を奪ったから・・・
だったら、炎のインドリームの力を持つ者が二人いる現状なら
共鳴されてもおかしくない?」
「その通り。
勝手に知られるのが嫌なら、君から会いに行けばどうだい?
どの道、インドリーム達はこの異空間に辿り着いている
待ってても会えるだろうがね」
「・・・くそったれめ」
誰もが聞こえる舌打ちをし、ジェイクはローランから背を向けて走り去っていく
その光景を物陰から見つめていた存在に気づいていたローランは
隠れている場所へ視線を向ける
「出てきてはどうだい?
ずっと聞いていたのだろう」
ブーツの靴底が床に当たるたびに響く音はゆっくりとローランへ近づく
「やぁ、お目覚めかなローラン先生」
無邪気な笑顔を向けて話しかけ、姿を現したのはコズモ
「・・・久しぶりだね、コズモ君
まさかカレッツァ街で重病を患っているといって
母親といつも僕の病院に訪れていた君が、死風の暗殺部隊なんて思ってもいなかったよ」
「あははは、あれも仕事だからね
君を監視しているには親子が一番かと思ったんだ」
見た目の外見とはかけ離れた態度を貫くコズモ。
ローランは虚しい感情に包まれながらため息をつく
幼い少年の姿のコズモがどれだけ血で武功を挙げていようとも
ローランにとってみれば、身勝手な火族によって歪められた哀れな少年にしか見えない
その様子を見つめるコズモは特に嫌悪感は感じなかった
その目に慣れているからだ
幼少期から同じ事を繰り返しては、憐れみの目で大人から見られる
「さて、ローランさん
僕と少しお話しましょう」
「残念だが、今の君と話すことはないよコズモ君」
「それはこれを見てからいうべきだよ、先生」
コズモが指を鳴らすと結界の側面から映像が流れ、そこにはインドリームとアンリの姿が映し出される
「アンリ?
何故?!」
「インドリームと協力して先生を助けにきた。
これから激戦になるだろうから、先生にはここで見ててもらおうと思う
彼女が生きたまま、首を跳ね飛ばされる瞬間をね」
何の良心もない非人道的な発言にローランは心の底から怒りが煮えたぎり、拘束されて身動きが取れないと分かっていてもコズモに襲いかかろうと身を乗り出す
「コズモ!!」
