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IN DREAM2

第13章 青い炎




全員が俺に向かって跪き、地に顔を伏せる

「お帰りなさい。死風の暗殺部隊長アドラ・ベルグマン様」

10代程だった火族の仲間は20年という歳月を経って成長し、立派な肉体を持っていた
中には知らない顔もいたが、隣に立っていたヴァンがゆっくりと説明してくれた

俺が異界送りにされてから10年以上経っているということ
強欲の剥奪儀式を経てジェイクは見た目を本物のインドリームとすり替えて力を得ることが出来たのだと。
あれ以来から俺の肉体は死体も同然のように動かず、抜け殻になっていた
当時暗殺部隊長だったバリスタンが火族の上層部に掛け合い
俺の肉体を培養気に入れて保存した
そして炎のインドリームとなったジェイクは正気に戻り、俺に対して行った事が償いきれないと嘆き、俺を元に戻す為に火族の暗殺部隊として武功を挙げ、勲章を得る程階級を上り詰める
代わりに、アドラの肉体を必ず安置させろ言っていたようだ
そしてインドリームの偵察と風のインドリームを必要に応じて殺すという任務に就き、あいつは今、旅に出ているらしい

「はっ・・・ははは」
「どうした?
情報が整理できないか?」
「まさか。
結局あいつは未だに夢を叶えられてない事が滑稽だなって思ったんだよ」
「ジェイク・バルシウスか」
「あぁ!
ジェイクは昔、俺に教えてくれた夢を叶えるには力があれば出来ると言ってたんだ
けど、インドリームとなっても結局は変わってないし、むしろ火族の操り人形になってるじゃないか」

俺は心の底から中傷した

「償いきれないだって?
当たり前だろ、全てあいつのエゴで全てやったことだ」
「ほぉ。」
「俺は失ったものを取り戻すんだ
家族、心、力ーーーーそして、俺自身を!」

葉巻をくわえていたヴァンは両手を叩き、にやけた顔を俺に向けながら話した

「さっすがだ!
お前を異界から戻して正解だったぜ!
だが、今のお前は完全に現世に戻れていない。
強靭な肉体と精神が必要だ」
「完全に戻れてないだと?
何を言ってるんだ、俺はこの通り」

俺は手を伸ばし、ヴァンの肩に触れようとした瞬間
指先から液体となって溶け落ち、蛆虫が大量に落ちていく
「は?」

「あー、悪りぃ悪りぃ!
先にお前の体のこと言っときゃよかったな」
小馬鹿に話しながらヴァンは俺の肩に手を回して耳元に囁くように説明していく


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