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IN DREAM2

第13章 青い炎




ナバルトはジェイクの答えを聞く間もなく、インドリームを奪い去る
首元のマントを掴まれ、地面を引きずりながらナバルトは地下牢へつながる階段を降り、姿を消していった

「ふー、まずはこれで休めるな」
腑抜けたジェイクの一言に俺は頭な中で一本の線が切れた

「甘い汁を吸えるのは、いつもお前だけだろ」
「え?」

「ジェイク、お前は何のために俺の記憶を消した?」
「?!」
「お前は俺と一緒に火族長や幹部を殺そうとしたんだろ!
結局失敗し、俺の記憶と心、家族を消すことでお前だけが全て覚えて生きていられるようにしたんだ!」
「違う・・アドラ俺は」
「すべて思いだしたわけじゃない
けどこれだけはわかる・・・・お前が記憶を消した。
でなければ、お前と会ってから俺の記憶が蘇るはずがない」
「やめろ・・・アドラ、それ以上言わないでくれ」

恐怖に歪んでいくジェイク
なんでお前が歪んでるんだ
お前は俺から奪ったんだろ
何をそんな怖がってるんだよ

「・・・・アドラ・・・・」

その時、ジェイクから発せられる声が変わった

「俺の前で・・・・その話をするな。」
「は?
てめぇに指図されるつもりは」

瞬きをし終わった瞬間、ジェイクの拳が俺の溝内に直撃した
「がはっ?!」
「お前がその話をすると、コイツは消えるんだよ」

ジェイクの声をした別の人格
それが肉体を動かしているのだとすぐにわかった

「な゛・・んだ・・てめえ!
ゴホッゴホッ!」

「俺は俺、火族としてのジェイクだ
表側に出るにはある条件が課される
それがお前の自白だ、アドラ」
「なっ・・・んだと」
虫を見るような目で蹲る俺を見るジェイクの瞳は、俺が知らないものだった

「お前は殺さないでやる。
強欲の剥奪の儀式でお前は生贄として必要だからな」
「生贄?!」
「これ以上知る必要はない
眠れ。」

すぐに鈍い音が頭の中で響いた
頭部が痺れ、俺の意識は闇の中に消えていった



気が付いたときには、赤い満月が空に浮かび上がり、血で描かれた呪印の真ん中で俺は鎖につながれていた

「なんだ?!」

全身を拘束され、目を動かすことしかできない
そん中、聞かづく足音に意識が向く

「よく眠ってたな、アドラ」
「ジェイク?!」
見た目はジェイクだった
だが、そこに立っていたのは俺の意識を飛ばした別の人格のジェイクだった

「またお前なのか」
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