第13章 青い炎
茶色い前髪を左に流し、肩まで伸びた後ろ髪や顎鬚の毛先に真紅の宝玉をちらつかせ、背後で火族としての在り方がを説いたのは市長のナバルトだった
「ナバルト市長!」
思わず敬礼をしようとする俺に、輝く青い瞳を持つ市長は俺を見つめ、軽く手を挙げて制する
「よく来たな、死風の暗殺部隊のアドラ君、ジェイク君
君たちを待っていた。
固い挨拶は不要。
ここでは皆が同士であり、血と運命を分けた家族だ」
穏便に話すナバルトは首元に巻いている金のネックレスに手を当てる
「私についてきなさい」
俺とジェイクはナバトの指示通りに従い、応急の地下へ進んでいく
ゴーレムが並ぶ慰霊のような大空間は薄暗く、王い炎が灯される
更に進むとそこには業火で包まれた壁が生じ、煙は発生しないが灼熱が肺の奥まで伝わっていた
「この炎の結界の中にインドリームをがいる」
「?!」
「炎のインドリームですか?!
奴はこの街のどこかに潜伏していると聞きましたが、まさかナバト市長が?」
ジェイクの問いにナバトは躊躇なく応える
「勿論、情報源は私であり、捉えたのも私だ。
捉えたのはついさっきだがね。」
「いったいどうやって?」
「私の中に眠る魔獣ヨルムンガンドが疼いたんだ
奴は協力な魔力や生命力を持つ者に惹かれる
城内を創作し、特殊な罠を張ったところ、追い詰めることに成功した
・・だが、困ったことにこの炎はインドリームが自ら作り出した特殊な結界でね
私を含める、他の火族は侵入することができない
そこで、インドリームに近いジェイク君なら可能だと推測する」
「俺ですか?
けど俺は完全にインドリームではないです
それなのになぜ俺なら可能だと?」
「勿論推測であり、可能性の話だ。
炎のインドリームとして近い存在だろ?」
「・・・」
ジェイクが炎のインドリームに近い存在
それは肉体的にも精神的にも、血筋にも、という意味になる
俺はジェイクと炎のインドリームの家系図がわからない
だが、火族内ではすべてが違い存在だと言われていた
「ナバルトさん
俺が中に入れたとして、炎のインドリームを外に連れ出す必要がありますよね?
俺にはその方法がわからない」
「半殺しでもしたらどうかな?
要はこの城塞兼結界が解かれれば手段はい問わない」
簡単に人を半殺しにしろと言えるのは、火族ならではだろう
この場に火族以外がいれば狂気の会話だ