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IN DREAM2

第13章 青い炎




俺たちは市長が居住する中央区へ向かった
行き交う同族は誰もが武功を挙げた代償で肢体の一部を無くしている中には市長と同じように魔物を体の中に封印し、呪印が全身にまわっている者もいる

ここにいる火族が数人闇に堕ちれば町は消えるだろうな
誰にも聞こえない独り言をつぶやき、周囲を見渡す中
火族の監視役たちが住人にまぎれて俺とジェイクを見張っているのに目がつく
死風の暗殺部隊が任務の失敗をしないよう、常に見張り、管理する・・・それは火族の任務にとっては〝普通〟だ

今までの任務では存在自体は目についていたが、ここまで気になることはなかった
何故だ?
今日の任務に緊張しているのか?
失敗は許されないのはいつもそうだ
いつも通り冷静な心と無関心を貫けばいいんだ
おれは自分に言い聞かせながらジェイクの背をずっと見ていた
凛とした佇まいで真っすぐ前を向いている
その姿勢に俺は・・・・昔から・・・惹かれていた?

ズキンッ

「?!」
同じ頭痛がまたする
過去の事を思い出したいわけじゃない
それなのに勝手に知らない光景がちらついて俺を苦しめる
―――――苦しい
そう口から何度もこぼれそうだ
けど、俺のせいで失敗させれない
必死に痛みを隠しながら俺は足を進める


次第に人数が少なくなり、市長が住まうフォルスト城の前にたどり着く

火族の国旗を入口に掲げ、大々的な愛国心を見せる
門番はおらず、門すらなく開放的な庭がすぐ目の前に広がっている
誰でも入れる空間には、目視できない結界がはられている
ジェイクと俺は結界の前でナイフを取り出し、左の手のひらを浅く切り、国旗に向かって血を吹き替える

飛び散った血を国旗が吸い込み、結界が解かれた後に聞こえてきたのは小さな子供の声が数人と、女性たちが庭園で戯れる声

「フォルストの庭園。
この街の中で一番安全地帯と呼ばれている場所か」
「あぁ、結界は3重にはられ、火族の血を吸わせないと解除されない。
例え俺たちの技術が他種族にわたり、火族に化けて侵入しようとしても血までは変えられない
だからこの結界の中は火族以外は入れない完璧な要塞だ」
俺とジェイクは緑生い茂る庭園の中を歩きながら、改めてフォレスト城の厳重さと火族の技術に関心していた

「我らがもたらすのは、常に世界を動かす炎。
故に、決して消えぬ技術、歴史、戦、人を紡ぐ必要がある
そうだろ?」
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