• テキストサイズ

IN DREAM2

第13章 青い炎




砂嵐が吹く中、俺とジェイクは目元以外をマントで隠しながらとある街を目指していた

そこは火族の安息の地と呼ばれていたフォルスト街
武功を挙げ、讃えられた者とその一族のみが住め、最大10年は戦場に行く必要がないと免除され、好きなだけ飲み食いできる場所だ
火族なら誰でも憧れる
常に心のどこかで戦火を求めているとはいえ、何かしらの理由で心が折れる者は多い
彼等は身体の一部を失ってでも武功を挙げ、フォルスト街で安住したいと願っている

そんな英雄と逃亡兵混じりの街に、炎のインドリームであるヒエンが身を隠しているという情報が手に入った

申告者は街を統治するナバルトという市長だ

戦場で活躍した彼の別名はヨルムンガンドと呼ばれていた
彼の別名が海の怪物なのは比喩表現ではなく、実名に等しいからだ
ナバルトはかつて、見境なく暴走しては人や船、自然を食い荒らす巨大な海蛇の化け物のヨルムンガンドを、水族と共闘してその身に封印することを成功させた英雄である
怪物を見に宿した者は莫大な力を手に入るが、使えば使うほど代償として肉体が宿した化け物と同化していく
最後には自我を失い、化け物と同化し、ヨルムンガンドの封印が解かれる
多くの種族がナバルトを見るだけで恐れ、ついには火族の上層部も危険視し、ナバルトを特別に市長へ任命して戦場から遠ざけた
そして今、俺とジェイクはナバルトに会いにフォルスト街へ辿り着いた

砂風からを身を守るマントを頭から被って歩き、街の門前で足を止める
数多の武器を円状に描き、中心から炎が揺らめく模様を額に刺青として入れている軽装の男が2人立ち、俺とジェイクを睨む
火族の紋章を身に刻んでる門兵
「我らは常にーーーー」
「炎に身を置き、如何なる時も力を糧とし、影に生きる者。
ジェイク・バルシウスとアドラ・ベルグマンだ
市長からコード000の情報を受けた」

門兵の1人が俺たちに合言葉を求め、すぐに答えるジェイク
答える合言葉によって自分の身の階級や職種を特定できるようになっている

「コード000。」
合言葉を要求した門兵の隣にいた別の門兵が口ずさみ、街にはっていた結界を解いた

陽炎でぼやけて見えていた街はすぐにはっきりと映し出され
俺とジェイクはマントを深く被り、足を進めた



/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp