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IN DREAM2

第13章 青い炎




インドリームの力を奪うということが成功した事はない
過去に何度も火族が試みてきたが、全て失敗して終わった
それはそうだ
世界から選ばれた者だけが持てる力
それがインドリームの力だ
そう簡単に他者に奪われてはいけない力

それを、俺とジェイクだけで成功させろと名声した
そう言うのなら、あの術を発動されるということを意味する
異界送りと〝強欲の剥奪”という禁術
2つを合わせればインドリームの力を剥奪できる
ただ、俺が気がかりなのは次のインドリームを誰にするか、ということだ

「アドラ、聞きたいことがあるようだが
今はジェイクと目的地に急行しろ
対象の人物が発見された情報がさっき入ってきた。
この機を逃すといつ見つかるかわからない」
バリスタンはそういうと俺とジェイクの手を取り、背中合わせに立たせて直ぐに転移の術を発動させる
「ジェイク、アドラに今回の任務の重要性を説明しろ!
そして危険と判断すれば撤退し、タッチポイントに転移だ
分かっているとは思うが、今回の任務の要はアドラだ
お前は只の捨て駒・・それを理解しておけ!」

俺とジェイクの足元に転移術で使用する魔法陣が浮き上がり
密閉された空間の中で突如風が吹き荒れていく
その中でバリスタンが命令口調で語る言葉に
ジェイクは只黙って頷き、拳を胸に当てて服従の姿勢を取る
その瞳には光が宿り、火族らしくない希望に満ちていた
「・・なんだ、こいつ」

おれは心の中の声を不意に口に出し、ジェイクに対しての不満を漏らす
それがジェイクに聞こえていないわけがない
けど、こいつは俺の方へ顔を向け、余裕の笑みを浮かべながら口を開く
「アドラ、今回もよろしくな」
「・・・今回も?」

ジェイクと組む任務はこれが初めてだ
なのに、こいつはまるで何度も俺と任務を遂行しているような口ぶりで話す
もしや、こいつは火族の洗脳や記憶の改ざんは影響しない人としてのまともな心が残っているのか?
だとすれば、俺が失ってるものがこいつが持っているということになる
この時、俺は初めて個人的にジェイクと親しくなりたいと感じた
そう、惹かれたんだ
常人の言葉を借りるなら
こいつと、友達になりたいーーーーと思った。



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