第13章 青い炎
「聖天堕としを使用した際の代償はどれほどだ?」
「はい。
龍族の命が100人程と、5万m2程の土地が枯れ果て荒地となります。
これは一般階級である天使を堕としたときの代償ですが、階級が上であればあるほど、被害は計り知れません」
「元々雷神が使用する術・・言わば神の業を人間種が使用すればそれほどの代償は当たり前か。
ーーーアドラ、この件は報告書をまとめ、次の任務に着け
聖天堕としの対応については俺が上層部と取り計らう」
「はいっ!
既に報告書はまとめています
どうぞこちらに。」
俺は魔法のポーチを腰からぶら下げており、その中に腕を入れてスクロールの束をバリスタンの前の机に置く
「うむ、よくやった
流石は俺の次に隊長となる者だ!」
満足そうに笑みを浮かべているのだらうが、口角が少し上がっただけのバリスタンの表情は固く、発している言葉が心から出ているのではないことはわかりきっていた
こいつは仕事として、俺を誉めてる
実際は心の中では何も感じていない
同時に俺も冷め切っているせいか、真意を知っても何も感じない
それでも、あいつだけは違った
「バリスタン隊長
次はアドラと組むのですか?」
人間らしい感情を混ぜて話したのは、空間の中から突如姿を現したジェイクだった
「おう、ジェイク
アドラと組むとなればどういう任務かわかってるだろ」
「大方予想はつきます。
例の少年が見つかったんですね」
「そうだ。
アドラ、次の任務に関する資料だ
簡単に目を通しておけ。」
バリスタンが俺に投げた資料は、簡単に目を通す程で終われる量ではない
常人であれば数週間かかるような厚手の資料本
だが俺には数分あれば読み終わるし、内容も覚えれる
ページをめくるのではなく、掌から落とすように見ていく
内容としては納得できた
これは火族で誕生したインドリームに関する情報
過去から現在までの全ての情報が詰まっている
そして、今現在存在はしているが
行方不明になっている炎のインドリームの事も記載されている
「炎のインドリームの捕獲・・・いや、奪うつもりですか」
「あぁ。
今回は炎のインドリームの捕獲及び、その力の強奪だ」
バリスタンの口から簡単に発せられた命令は
常識では考えられない内容だとだった