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IN DREAM2

第13章 青い炎


アドラ・ベルグマンーーーーー

彼は火族の中でも優秀なDNAを持ち、驚異的な成長力を持った青年
他の死風の暗殺部隊と異なり、能力を持ち合わせていなかった
それでも素質はあると上層部は判断し、死風の暗殺部隊へ入隊することとなる

そこには人の形はしていても、人の心を持たない三兄妹や、人の声だけするが、姿形は闇を纏う獣
呪術や結界を得意とする法術師
そして炎のインドリームとして最も近いと評価されていても、実際にはなれなかった紛い物が集まっていた

どれも歳は近く感じ、10代半端だ
それでも親近感が湧かなかったのは、これから訪れる訓練がどんなものか知っているからだろう

火族は世界に炎を灯す一族
故に、常に戦を求める性質がある
生まれた子供は2年まで母親の元で育つが、すぐに兵隊として別の場所で教育を受け、呪印を刻まれる
そして配属先の部隊が決まると過酷な重労働から、人や生命を殺めることに躊躇しないよう、身近な存在を手にかけるよう命令を受ける
逆らえば呪印が働き、闇に堕ちて魔獣として使役されるか、その場で脳が焼き溶ける

アドラに待っていたのはもっと根本的な教育という名の洗脳だ
龍族の技術士が開発した装置を使用し、人の心に残る古い記憶を順に消していき、火族としての信念を植え付けていくのだ
死風の暗殺部隊となれる存在は数少なく、希少な者達
だからこそ、命令に逆らい、呪印が働くような無駄は避けるために徹底的に人という人格を改竄していく

死風の暗殺部隊に入隊し、僅か1ヶ月でアドラは自分の親が何者でどんな家系なのか記憶が無くなった
あるのは火族としての使命のみ
入隊した者達の事も気に止まる事なく、ただ命令に従う人形と化す
ただ、心の中で感じた感情は消えゆく過去の自分にむけられたものだった

"死風の暗殺部隊に入隊した時ら人らしく振る舞わなくてよかった"ーーーと。
きっと振舞っていれば人として消えていく心が叫び、苦痛が続くだけだっただろう
全てを諦め、夢を見る事もなく過ごす中
とある少年と話し、共に過ごす事で大きく人生が変わった

少年の名はジェイク・バルシウス
かつて炎のインドリームの有力候補者だったが、それが叶うことがなかった死風の暗殺部隊員
何度も火族の洗脳を受けても影響を受けない肉体を持ち
そのおかげで誰よりも人らしい判断力で任務の成功を導いた者だーーーーーー。





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