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IN DREAM2

第12章 炎の意志




両手で小さく拍手し、賞賛の意を唱えた零式。
両手の鉄と鉄が当たる音は重々しく響く

「火族コソ正義であり、我々ガイルカラコソ、世界が在るト言ッテモ過言デハアリマセン、アドラ様!
私ハ、貴方様ニ全ヲ捧ゲマス」

「ありがとう、零式。
俺達火族の存在意義を世界に示すため、俺はこの旗を掲げる
例えこの身が幾千幾万の血で汚れようと、異界に送られようと、裏切られようと、俺は進み続ける
かつての火族の上層部は成し遂げられなかった事だが、俺達なら出来る!
・・・そのためには、どうしても俺が炎のインドリームになる必要がある
闇堕ちや天族、他のインドリームが敵になろうと関係ない
そうだろ、ジェイク?」

「あ、あぁ」

安易に答えてはいけない問いだ
それなのに簡単に否定しないのは、火族としての人格が優っているからか
ジェイクは自身の中で交差する人格に嫌気がさす

ほんの一瞬だけ静寂に包まれた
だが、すぐにアドラはある事に気付き、メンバーそれぞれの背後にゲートを開く

「餌が釣れた
これからお前らにはテレパシーで指示する
それまではゲートの転移先で待機だ」

アドラは異空間に侵入してくるインドリームの気配を感じ取り、招集を解散させていく

「コズモ
君はローランを連れて尋問をしておけ」
足元で倒れて意識を失っているローランを軽々と持ち上げ、コズモの元へ投げ飛ばす

「了解、ボス」
身体が地面に擦れる音をたて、ローランを引きずりながらコズモは姿をゲートの中へ消していった

「よし、ジェイク
お前にはインドリームの元へ向かう前に、俺のことを話しておきたい」
「ーーー異界送りからどうやって現世に戻ってきたのか
それを教えてくれるのか?
俺みたいな出来損ないの半端者に?」
「なに拗ねてるんだよお前は。
お前は半端者なんかじゃない
インドリームの力を無理矢理行使してるから、身体がついていけてないだけだ
いいから、こっちこい」

アドラは呆れた表情で笑みを浮かべ、ジェイクの体を念力で浮かせ、そのまま目の前に立たせた

「目を閉じてくれるだけでいい
これからお前に見せるのは、俺が経験してきた過去と
今日に繋がる全てだ。」

両手をジェイクの頭部を挟むように近づけ、魔力をジェイクに流し込む
同時に、ジェイクは意識を無くし暗闇の中へ景色が消えていった
「そう、全てはあの日から始まったーーーー」


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