第4章 新たな仲間
落下速度を弱めることに集中しているヒルトに
ゴーレムの攻撃を防ぐ余裕はなく、ユリエフの力に防御する技術はなかった
ゴーレムの腕が振り落とされ、頭部が体より先に地面に叩き落されると
死を感じたヒルトとユリエフ
ゴギッと骨が何本も潰れる音が響き渡る
「えっ」
ゴーレムの攻撃を両手で受け止め、骨が異常な方向に曲がっているクライヴ
ヒルトとユリエフを庇うように前に出て
何故か力を使わず素手で受け止めたのだ
何が起きたのか理解がつく前に、ヒルト、ユリエフ、クライヴは地面に叩き落された
落ちた場所が砂であったからか、ヒルトが風で防いだからか
クライヴの腕以外はかすり傷で済んだ
「っ~~!」
「ここ・・・は・・?」
打ち所が悪かったのか、腰を抑えゆっくり立ち上がるヒルト
あたりを見渡し、自分達の場所がどこか整理するユリエフ
その近くでクライヴは着地をし、余裕を見せていた
だが、ヒルトはすぐに駆け寄り、クライヴの骨折した両手に心配した
「大丈夫か?!」
焦りしか感じられない瞳は、すぐに驚きの表情へと変わる
つい先まで骨が砕ける音を聞き、曲がった腕を目にしていた
だが、今では傷は完治し、両手からは黒い煙が湧き出ていた
「こんな傷、大したことない」
「す、すごい」
闇堕ち特有の自然治癒力なのだろう
強力な闇の力を持つ者は、生命エネルギーは勿論、魔力量も膨大であり、体に受けたダメージは生命エネルギーと魔力の同時効果で急速な回復を行う
骨折したところで、痛みを感じるのは折れた瞬間だけである
「それにしてもクライヴ、あの瞬間庇ってくれて助かった・・
でもどうして、素手だったんだ?
クライヴなら、闇の力を使えば怪我をせず済んだのに。」
「・・・地上から落ちて頭でも打ったか?」
「え?」