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IN DREAM2

第12章 炎の意志




突如聞こえた声の正体は、ジェイクにとって聞き覚えのある男のものだった

アドラの背後に忽然と姿を現した男を視界に捉え、思わず、ジェイクはその名を口に出す
「ヴァン・・・?!」

身構えるジェイク以外は誰も警戒心がない
いや、それ以前にここに来て当然と言わんばかりの表情だ

「ヴァンさん、遅かったですね
〝また〟天族に見つかって追いかけ回させてたんですか?」
「ははは!
そんなの滅多に起きねぇよアドラ
コレを回収する時に闇堕ちとちょっと遊んでただけだっつーの」

まるで仲のいい兄弟のようにスキンシップを取りながら語るアドラとヴァン
その手元には両手両足を鎖が巻かれた白髪の男が寝かされている
ついさっき、アドラと奇襲をかけた男がなぜヴァンに連れられているのか
それ以前にヴァンとアドラの関係性が読めないことに困惑するジェイク
だが、ジェイク以外のメンバーは温かく見守る異様な光景
暗殺部隊として表に感情は出せない
それでも隠しきれないほどの動揺に襲われていく

「闇堕ちと遊んでたって言いますけど、あの街に闇堕ちも流れて来たんですか?」
「ちげーよ
インドリームに寄生してる化物の事だ
奴らは先に医者と接触して守ってやがった
・・・まぁ、両足に風穴開けてやったけどな」

(おそらくヴァンが言ってるのはクライヴのこと・・
だったら俺が襲った後にあの男と接触したってことか
両足に風穴ってあいつ大丈夫なのか?
ーーーいや、今更心配することじゃないか)

「アドラ、そいつは」
「あぁ
ジェイクにはまだ紹介してなかったな
俺達、死風の暗殺部隊を組織したヴァン・メダルド元帥だ
お前とは闇の神の封印を解く時に会ってるんだよな?」

何を当然のように話しているのか
目の前にいる男がどれほど危険な存在か知らない口ぶりではない
そしてヴァンの正体ともいえる称号を付けて呼ぶアドラを見つめ
ジェイクは唾を飲み込む

「アドラ、その男といつから接触していたんだ?
いや、それに暗殺部隊を組織した元帥?
創設者とでも言うのかよ!
・・冗談じゃない。
元帥は50年前に亜人種との戦いで亡くなってるはずだ
生きてるはずがない」

「なーんだよアドラ
お前何も話してねぇのか?」
「はい
あいつは壊れかけてるので、俺から話しても意味ないかと思ったんです」
冷たく言いすてるアドラ
それに対し、ヴァンは高らかに笑う
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