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IN DREAM2

第12章 炎の意志



ジェイクが自身の胸に手を置く
その瞬間、中心から炎が渦を描きながらジェイクを包み、ジェイクの肉体を燃やしていく

「ジェイク?!」

火族は炎のエレメンツを所有し、戦闘反応が強く、強靭な肉体を持つ種族
そして唯一、自身の中に眠る炎を炎上させて自爆できる能力を持っている
ヒルトはジェイクが何を見せつけているのか気づき、体を奮い立たせ、火傷しながらジェイクの肩を掴む
「やめてくれ!
お前が自爆なんてする意味はないだろ!
こんな形で使命を全うするなんて間違ってる!」

「間違ってる?
だったらーーー」

ジェイクはヒルトの頭上に炎の巨大な槍を作り上げ、矛先をむけた

「俺のために死んでくれ。」

ジェイクの炎が一気にヒルトに向かって振り下ろされた時
閃光と闇の衝撃波が炎を打ち消し、ジェイクとヒルトの間をすり抜けていく

「ちっ!」

すぐにヒルトから距離を取り、ジェイクは身構えた
それは出来れば対峙したくはなかった2人

「ユリエフ・・クライヴ!」


白髪をなびかせ、光の魔導弓を構えるユリエフと
漆黒のマントを右手で払いながらヒルトの傍に立つクライヴに
ジェイクは苦虫を噛んだような表情をしつつ、身構える

「ジェイク君、これはどういうことですか?!
貴方を追いかけるヒルト君を偶然、クライヴ君と見つけて追いかけて来てみればこんな事になってるなんて・・」
「はっ!
見てわかるだろ、ユリエフ
俺は任務を・・使命を果たし、夢を叶えるためにヒルトを殺すんだ
それに、この特高勲章の呪印を見ればお前ら2人なら俺の正体くらいわかるだろ?
「火族の暗殺者・・?!」

ジェイクの額に刻まれた呪印を見つめ、ユリエフは自らの目を疑う
だが、何度瞬きして見ても現実は変わらない
対してクライヴはヒルトの容態を確認し、冷静にジェイクを見つめていた
「クライヴ、やけに冷静だな
やっぱりお前は俺がこうするとわかってたのか?」
「わかっていれば止めていた。
まさかお前がここまで堕ちぶれていたとは、思ってもいなかった」
「は?」

溜息交じりに話すクライヴに、ジェイクは腹わたが煮えくりそうになりながら拳を握る

「お前が火族であり、他人には言えない事情を抱えていたのはわかっていたが、まさか自ら破滅を選ぶとはな。
今は心底、失望している」


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