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IN DREAM2

第11章 破滅の鐘


翌日、街に充満していた魔族は完全に一層され、平穏が訪れた中
街の中心部に位置する広場で多くの人で混み合っていた
木造で建てられた簡素な高台に、鎧は一切見に纏わず白を基調とした軍服で立つフランシス
周囲には軽備の自警団が立ち、フランシスを介護している

「諸君、今日は集まってくれて感謝する!」
フランシスの声に不安がる住人の視線が一つに集まる
「この街は昔から人々が手を取り合い、国を築くことなく成長してきた。
だが、破滅の鐘という闇の組織が介入してきたことにより
人の自由は奪われて全てを管理社会とされてきた・・
それが長く続いてもこの街が廃れなかったのは、必ずかつての自由を取り戻すと心に誓った皆の夢のお陰だと私は思う!
その夢は兵士団長である私も同じであり、そして遂に、その夢は実現された!
ここに集う彼等こそ、我々の盟友といえる存在!」
両手を大きく広げ、フランシスは大げさと言えるほどの身振り手振りで話す
その後方に控えて立っていたヒルト達に、一切の視線が集まる
「紹介しよう!
彼等が世界を救う力を秘めたインドリームだ!」

「おおお!」

歓声が上がる中、ヒルトは照れ臭そうに立つ
隣で堂々と立っているユリエフと並ぶと見っともないと思えるほどだ
ヒルトの左からユリエフ、ジェイク、アラン、ライセイ、イリヤと立つ
その場にクライヴがいないことに、ヒルトを含める全員が気づいていた
別の用事などではない
クライヴ自身が望んでその場に立たないのは、インドリームという名を人々に広めるためには、純粋な光の申し子の集いでなければならない
闇堕ちであるクライヴが同じ仲間だと認識されるのは
悪いイメージを持ち、疑念すら抱かれないからだ
フランシスのように特定の人物にならクライヴとインドリームが仲間同士と認めて旅をしている事を知ろうが、大した問題にはならない
だが、事情を知らない一般市民が知れば余計な噂しか広間ない事はクライヴの長年の経験ですぐに理解できた

歓声が上がり続ける中、ユリエフは冷静に口を開き、ヒルトの気持ちを汲み取った
「大丈夫ですよ、ヒルト君
クライヴ君がそう望んだのですから。
ここに立たない事は、決して強要ではありません」
「ユリエフ・・」
「彼はいつも先の事を考えて行動しています
でしたら、私達は彼の思いを踏みにじるようなことはせず、インドリームとして堂々としましょう」
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