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IN DREAM2

第11章 破滅の鐘




「いきすぎた欲は身を滅ぼし、償いきれない罪に縛られる」

大鎌を大きく上空に上げ、瞳を赤くして話すクライヴ

「だからと言って、俺はあきらめない
この身が更なる血と罪に塗れようが、夢までは失うわけにはいかない
あいつら・・友を守るために俺はお前を殺す」
「っ!
待てっ!
友を守るというならこちらから提案が」
「黙れ」

命乞いに等しいガウンの言葉にクライヴは聞く耳をもたず
すぐに一瞬にして首を跳ね飛ばした


「な・・・・」

言葉を失い、硬直するフランシスの足元に転がるガウンの生首は
起爆装置でも仕掛けられていたかのように突如として炎が巻き起こり、肉体はすべて灰となって消えた



「破滅鐘は異種族の集まりだからこそ、統率をとるために体の内に仕掛けを仕込んでいる
死ねば魂も残らないほどの炎で焼き尽くし、裏切れば生きながら永久の拷問を受け、任務に失敗すれば心の一部を抜き取られるらしい」
「それは・・一体どこからの情報なんだ」

淡々と語るクライヴに、フランシスは恐る恐る声をかけた

「かつて俺が闇族の王子として世界を闇に染めていた頃に
元火族の暗殺者から聞いた。
今となればこの風習が変わらないのかはわからないがな」

「・・・私は長らく歴史の裏と表を行き来していた人生だったが、君にような存在は初めて会う。
改めて、命を救ってくれて礼を言いたい!」

「俺に礼は必要ない
むしろ、俺が礼を言いたいほどだ
インドリームをかくまってくれて助かった」
「それは純粋な気持ちからしたことではない・・だから君に礼を言ってもらえるほどでもないのだ」

申し訳なく頭を下げるフランシス

その目の前に、白く光る人形の魂が姿を現し、優しく体を包んだ


「目的はどうあれ、俺の友を破滅の鐘から守るよう街の人間や自警団達を動かしたのはあんただ
そして、結界に出る為に情報を提供してくれた魔術師ライアンのおかげで俺はここにいれる
だからこそ、彼女の夢だけでもかなえてやりたい」

フランシスは自分を包む魂の正体が誰なのか、すぐに理解できた
白く見えづらいが、優しさに満ちあふれた表情に、気高き第五位魔術師のローブを身にまとい、桃色の長髪をなびかせながらこちらを見つめていた女性の名を口にする

「ライアン・・!」

「フランシス
やっとあなたと話せたわ」


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