第3章 半魔
骨が腐り、灰に変わっていく状況でマティウスはさらに周囲の魔力を吸い上げ、抵抗しようとするも、力がコントロールできずにいた
「お前の能力は俺の闇の力で封じた。
まだ戦うというなら、体の中に残った魔力ですることだな
もっとも、お前に戦う気があるのなら。」
「・・・・」
「どういう意味だクライヴ?!」
「あの男に利用されているとはいえ、こいつは半魔だ。
意志は残っているはずだ」
「おまえ・・何者なんだ・・・!」
闇の魔力を抑制し、マティウスは朦朧とする意識を戻していく
クライヴの話についていけず、困惑するヒルト
「マティウス、お前のような半魔は生まれ持った生命力が強く、無理矢理他者の魔力を体で受け止めてもすぐに死にはしない。だが、使いすぎると必ず死ぬぞ」
「・・・・お前は死なないというのか、闇墜ち」
「俺は死ねない体をしているからな。
そしてお前より闇の力に関しては詳しい。」
「・・・・」
クライヴの話をきいたマティウスは持っていた剣を放り投げ、その場で立ち尽くす
「ヒルト、どうする?
マティウスは戦う意志がないようだが」
「それなら俺たちも戦う必要はないだろ」
大剣を納め、ヒルトはマティウスへ近づく
「俺たちはこの現状を打破し、みんなを救いたい。
あのマーベルっていう男を止めるには、マティウスの力が必要なんだ」
「・・・おれは・・・」
うつむきながら話すマティウスにヒルトは手をさしのべる
その手をとろうとしたとき
「ヒルト君!」
「?!」
黒い閃光がヒルトとマティウスへむかってくるのに気づき、とっさに避ける
その閃光は近くの木へあたり、直撃した木は闇に溶けてきえた