第11章 破滅の鐘
「このまま真っ直ぐ進めば、フランシスさん達がいる自警団の兵舎だよ!」
「あと少しっ!」
イリヤの声にジェイクは力を湧かせ、両手から炎を放出し、魔族を焼き払っていく
「我が身を糧とし、邪悪なる闇を焼き払え!
ファイヤー・・」
ドクンッ
「っ?!」
ドクン ドクン
「なん・・で・・こんな・・時にっ・・?」
突如発生した激痛はジェイクの脳の奥から
全身までかけめぐり、魔力を消滅させ、筋力が低下する
「ジェイク?!」
目前で膝をつきながら倒れていくジェイクに
ヒルト、ユリエフ、イリヤは困惑しながら駆け寄っていく
「ジェイク君、しっかりしてください!」
「突然どうしちゃったの?!」
右手はバンダナと前髪を掴み、歯ぎしりしながらジェイクはうずくまる
周囲からは魔族が勢いよく襲いかかり、牙を剥き出しにしながらジェイクを喰おうと迫る
「撃ち放て、雷鳴!」
「?!」
青白く光る雷が晴天から降り注がれ、ジェイクの周囲にいた魔族は瞬く間に消されていく
「何へばってんだよ、ジェイク」
「まったく、見てられないわよね」
「ラ、ライセイ?!
アラン?!」
「へっ、らしくねぇんじゃねぇの?
そんな所でうずくまってても事態はかわらねぇぞ」
瓦礫の山から鼻で笑いながら姿を現わすライセイとアラン
双方の両手は魔族を倒しきり、多少強引にインドリームの力を使用したことで僅かな肉体的疲労が出ており、火傷や腫れが目視で捉えれる
「ライセイ、アラン!
無事だったんだな」
「ヒルトも問題なさそうだな」
「あたし達は大丈夫よ
この街に残ってる魔族を一掃するために集中しなくちゃね」
「それだけじゃダメだッ!
フランシスさんの所に・・ガウンが・・!」
「大丈夫よ、フランシスさんなら」
「炎よ、舞い上がれ!
我に力をっ・・・ーーー!」
アランの言葉に一切耳を傾けず、ジェイクは無理矢理魔力を使用し、爆轟を響かせながらフランシスの元へ向かっていく
「ちょっと、ジェイク?!
あー、もう!」
「フランシスさんの事はあいつに任せればいいってのに、話聞いてねぇな、ジェイクのやつ。」
「どういうことなんだ、ライセイ?」
「気になるならヒルトも自分の目で見てこいよ
ここは俺達に任せてくれればいいから。」
「けどっ!」