第11章 破滅の鐘
「これは事実だ、俺たちの目的は果たされ、お前達の目的は実現しない」
「そういうことだよ、残念だったね
じゃあガウン、そろそろ行こっか」
「っ、待ちなさいよ!」
アランは空を浮き上がりながら彼方へ飛んで逃げるリリースとガウンを追おうとするが、それを止めたのは誰でもなくジェイクだった
「ダメだ・・アラン」
「!」
飛行船の上に立っていたアランの手を握りながら
ジェイクは震えた声で話す
「あいつらは・・アラン一人でなんとか・・できる相手じゃない」
「でもクライヴが!」
「わかってる、けど今は作戦を立て直しーーーー」
「ちょ、ジェイク!?」
話し終える前に先に意識を失い倒れるジェイク
アランはジェイクの型に手をまわし
敵の姿が見えないことを確認し、飛行船の中へ戻りユリエフやヒルトと合流する
上空で行われた戦闘は見えても
アランやジェイクがどんな会話を敵としていたかまで
把握出来ていなかった仲間に、アランは悔しい気持ちを押し殺しながら話した
「ジェイク君が突然力が弱まり、敵の攻撃を許してしまったのは気になりますね」
「あぁ。
それにクライヴの安否も気になる
ガウンとかいう男が言っていた封印が本当なら
すぐに助けに行かなくちゃいけないし・・」
「ヒルトとユリエフの言いたいことはわかってるわよ
けど、今はこちらから動くのは危険よ
まずは船を移動させて、安全な場所でジェイクとライセイとユリエフを休ませてそらからクライヴと合流するべきね」
ジェイクの傷を癒しながら、不安気な表情で話したユリエフとヒルトにアランは冷静に提案をする
「ねぇねぇ!
ここに小さな町があるらしいよ」
周囲を見渡しながら地図を広げていたイリヤは
無邪気な表情で1つの小さな島に指を指し、船を留める場所の提案を始める
「この島な小さな町だけど、貿易の拠点になってるから
休める宿もきっとあるはずだよ
それに、もしも敵が攻めてきても海へおびき寄せて戦えば被害は少なくなると思うの」
「その島はいいわね、ヒルト、ユリエフ
そこでもいいかしら?」
「はい」
「俺もそこがいいと思う」
「では船をそちらへ移動させます。
イリヤさん、方角はどちらでしょう?」
「ここから西に3キロ進んだ所だよ」
地図を広げながら目的地まで目指すインドリーム
その船の底に敵による罠が仕掛けられていたとは気づかずーーーー。