第11章 破滅の鐘
「ジェイク!」
落とされるジェイクは後頭部から血を流し
意識か朦朧としながらアランに支えられる
「ア・・ラン・・悪い、俺・・」
「何されたかわからないけど、今は喋らないで!
この傷は致命的よ」
「うっ・・」
「あーあ、戦力になれる仲間いなくなっちゃったね」
「・・亜人、リリース
あんたはインドリームの抹殺が目的って言ったわよね?
それならどうして一人一人相手してるの?
本気で抹殺なら、すぐにでもジェイクやライセイが弱った瞬間に追撃をするはず。
けど、そうしないのは他に目的があるから?」
「へ〜、水のインドリームは頭の回転が早いんだね
そう、インドリームの抹殺は目的でもあるけど
今回は只の偵察。
それぞれの能力の確認が1番だったんだよ」
「・・やっぱりね
それで?
インドリームの抹殺とは物理的に殺すのではなく
機能的に殺す、つまり唯一の治癒力を持つユリエフを殺して
インドリームとして旅をさせにくくするのが
真の目的と言ったところかしら?」
アランの的確な推理にリリースはニヤつきながら
両手わ合わせて拍手した
それは説明までもせずとも理解するアランの洞察力に喜んだのではなく、鋭い洞察力を秘めた脳を危険視し、すぐに殺さなければいけず、その殺し方を想像していたからだ
歪んだ表情はアランの心の中で恐怖でしかなかった
何故リリースは目的を暴かれてもニヤついて
舐めるようにアランの全身を見ているのか
「リリース、時間だ」
「ガウン・・あの闇堕ちは?」
「俺の中に封印した
当分出ては来れないだろ」
「!
クライヴをどうしたの!?」
迷彩柄の頭巾を被った大男ガウンはリリースの隣に姿を現し
空に浮きながら片手には見覚えのある大鎌を持っていた
それはクライヴが武器に使用していた大鎌であり
それが敵の手中にあり、本人自体がどこを見ても見当たらないことから
ガウンの言葉を半信半疑になるアラン
「本当に・・封印したの?」
「封印した。
今頃俺の中で溶けて死んでいっているだろ」
「なっ!?」
「この武器はお前らにくれてやる」
握られていた大鎌はガウンが放り投げると
回転しながら飛行船の壁に突き刺さる
「うそでしょ・・・」