第11章 破滅の鐘
「あの女の子、見た目は人間だけど普通の人間じゃないよね、ジェイク」
イリヤの問いにジェイクは静かに頷き、迷いなく答える
「あぁ、おそらく亜人だ」
「亜人?
それはつまりーーーー」
「生まれつき能力を保有してる特別な人種だ
見た目は人でも、能力を持ってる事から人と同じ生活は出来ない奴等のことを言う
ヒルトは、亜人を見るのが初めてなのか?」
ジェイクの説明にヒルトは心当たりがないような表情で左右に振る
「ごめん、俺が知る限り初めて聞いた人種だ」
「そうか、まぁ・・あまり知られてない人種だから仕方ないか」
ジェイクは手甲を装着させた両手の拳を握り、リリースを睨む
「とりあえず、あの敵を捕縛して詳しく聞く必要がありそうね
インドリームの抹殺って言ってたけど、目的はユリエフらしいしね」
アランは双剣を構えて治癒するユリエフの前に立つ
「イリヤ、ヒルトとユリエフを任せるわよ」
「今動ける俺とアランであいつの相手をする
俺たちが危険になっても駆けつけないでくれ
そうなると、ヒルトとユリエフ、ライセイがやられる。」
「うん、気をつけて!」
イリヤに背を向けたまま、アランとジェイクは船から飛び出し、空中に浮いてるリリースへ一気に攻撃を仕掛ける
極細の糸のような水を双剣の持ち手から流し
刃と当時に攻撃を向けるアラン
その水は螺旋を描きながら連なり、噴射し、循環していることから
触れたものを瞬時に切り裂く刃となっている
曲線を描きながら流れるような剣さばきと
水での追尾にリリースは器用に避けながら更に上空へ飛んでいく
「どこまで飛ぶきなのよ
ジェイク!」
「わかってる!」
両手から炎を爆発的に噴射し、瞬時にリリースの背後まで移動する
「?!」
「終わりだ、ファイヤー・・」
「 」
「ーーーーえ?」
ジェイクにはリリースから聞かされた言葉が
二度と聞くことのないものだと信じていたものであり
遥か彼方の空にいても聞き間違えることない古の言葉
その言葉が耳に届いてからすぐに
頭痛が襲い、目眩を起こしながら炎の力が弱まって行く
「っ・・」
「落ちろ、インドリーム」
リリースの隣を落ちていくジェイクの後頭部に
追撃のかかと落としをする
リリースのかかと落としで更に勢いを増しながら
アランの元へ落とされるジェイク