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IN DREAM2

第11章 破滅の鐘




漆黒の闇が全身を覆い、直立不動の人型の魔族
腹部に付与された大口は腰まで裂けており、誰がみても不気味で危険な魔族とわかるだろう

魔力のみを抜き取られて行く配下は次々と飛行船へある方向へ落とされ、ついにヒルトの風がその魔族に直撃した

悲鳴を上げながら消滅し、重く力のない肉体がヒルトの足下へ倒れる

「ヒルト、すごいじゃない!」
ヒルトの後方から声をかけて近づいてくるアラン
続いてライセイ、クライヴ、ジェイクも続いて近づいてきていた

突き立てていた大剣を抜き取り、ヒルトは何も言わずふらつき始める
「おい?!」
クライヴに支えられながらヒルトは右手で頭を抑えていた
「ごめん、クライヴ
少し目眩がしただけだ」
「強力な技で魔力を消耗し過ぎたようだな
だがヒルトのお陰で魔族は一掃された
一度船に戻り、体を休めてーーーー」

「休めさせん」
「?!」



急速に迫るそれは闇の球体であり
2メートル程ある巨大なものだった

鈍い音を立てながらクライヴに直撃し
飛行船から吹き飛ばされる

「クライヴ!」

「そっちにはいかせないよ〜」

「!」
「新手?!」

「アンタ達は破滅の鐘、リリースの手にによってこれから死ぬんだから」
赤髪の短髪に金色の瞳をもつ少女は巨大な重火器を背中に背負い
銃口をヒルトへ迷わず向ける

「ヒルト!」
ライセイは即座に雷の壁を作りだし、リリースの弾丸を電磁波と電撃で打ち砕き、ヒルトの前に立つ
よろめくヒルトはアランが肩を貸し、ライセイから距離を置く

「あの一撃を打ち砕くなんて、やるじゃないインドリーム
!」

腹に手を回しながら中傷する笑みを浮かべ
リリースは興味深くライセイを見つめる

「てめぇら、魔族じゃねぇよな?
一体何が目的なんだ?!」

「そんなの、決まってるじゃん」

リリースは話し合える前に瞬時にライセイの前に移動し
腹部に強力な一撃を与える

「がっ?!」

「インドリームの抹殺だよ」

鋼のブーツでライセイを蹴り飛ばし、ニヤついた笑みで
明るく答える

飛行船から勢いよく落とされかけるライセイの手を掴み
瀬戸際の所で止めるジェイクは
敵の正体や目的に違和感を覚え、その表情は曇っていた

「・・大丈夫か、ライセイ?」
「あぁ、助かったぜジェイク」
「正直、こいつらはやばいぞ」
「はっ、何びびってんだよ
ジェイクらしくねぇな」
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