第3章 半魔
「・・・可能性はないだろ。」
「----・・・。
そうだな、だが、俺はそう簡単に墜ちはしない。
いざとなれば、躊躇なく殺せばいいだろ」
「そんな!
簡単に殺せだんなてできませんよ?!」
クライヴの切り捨てるような言い方に、ユリエフは困惑していた
「だったらユリエフがするか?
その清められた体を汚したいなら、止めはしないがな。」
「っ・・・・。」
「その役目、私にさせていただけない?」
「?!」
「あ、貴方は!」
ヒルト達の背後にはいつの間にかエリンシエが立っていた
「エリンシエ!
どうしてここに・・それに話を聞いてたんだな」
「ええ、盗み聞きしてごめんなさい。
でもどうしても会いたいの、お兄さんに・・
だから、私が魔力を放てば兄さんなら気づいてきてくれるはず!」
「お兄さんだと?
どういうことだ、ヒルト」
「クライヴと離れてからエリンシエの事情を聞いていたんだ。
昔、一緒に暮らしていた半魔のマティウスというお兄さんがいて、その人と協力して今の結界師のギルドが完成したらしい。」
「・・・では結界をおしえた人間は?」
「その人はマティウスと一緒にいるはずだということだよな、エリンシエ?」
「はい、私たちはあの人の事を先生と呼んでいるの。
先生は私とマティウス兄さんや多くの人と半魔や、闇墜ちが共存する世界を望んでいるの。」
「・・・なるほどな、そういうことか。」
「クライヴ君、どういうことですか?」
エリンシエの話を聞き、納得したようなクライヴ
「ヒルト、おまえがいいならこの誘導役、エリンシエにさせるのはどうだ?」
「!」
「わ、私でいいんですか?!」
「血のつながりがある兄弟なら誘導もしやすく、相手方の闇にも汚染されにくい。
おまえが考えているリスクは下げられるぞ?」
「・・エリンシエ、いいのか?」
「はい!
何でも協力させてください!」
「だったら、決まりだな。
俺が風を使って指定の場所まで移動させる」