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IN DREAM2

第11章 破滅の鐘





鉛を引きずる音を洞窟の中から響かせ、迷彩柄の布で頭部を覆った大男は掠れた声で話しかける

「ボス、奴らが向かった」
「あたしの予想じゃあ、あと五分で交戦するよぉ」

大男の腰後ろから顔を見せたのは
赤髪の短髪の少女であり
頬には更に鮮やかな血をつけている

「ガウン、リリース・・
お前達は魔族が全滅させられた後、時間をあけて奇襲をかけ、地形を把握すれば撤退し、俺に知らせろ」

「はーい!」
「了解した、ボス」

大男をガウン
赤髪の少女のことをリリースと呼びながら話す男は
周囲からボスと呼ばれているが正式には今回の任務の統括者だけであり
所属する団体のボスではない

短い茶髪をセンターで分け、灰色の瞳は腰にぶら下げる刀に目線を向けている
肩には東洋から伝わる鎧の大袖と脚には脛当てを装着させ
黒と赤を基調とした着物を着ている

どこかやる気のなさそうな表情で話すが
この男、ドミニカ・ノーベルは誰よりも今回の任務に力をいれていた

破滅の鐘という殺し屋の組織に所属するドミニカは
とある人物から対象の存在を殺すように依頼をうけ
その報酬は今までのものよりも破格だった

「何としてでもこの任務を遂行しなくちゃな
対象の人物の事は前に話してはいるが、念のためにもう一度言っておく」

ドミニカは複数枚の写真を取り出し、ガウンとリリースへ渡して行く

「ねぇボス
この女の子可愛いよね」
「殺すには惜しい」
「何寝ぼけた事言ってるんだリリース、ガウン。
いいか、今回の対象は普通の人間を殺すのと訳が違うんだ
周囲の存在とその能力が高いことから、容易に近づくこともできない」
「うーん、この白髪の女の子、そんなに強いの?」
「リリース、名前くらい覚えろ
奴の名はユリエフ・フォン・ガルシウス
天族の聖人であり、光を司るインドリームだぞ」
「へぇー」

写真にはどこから流出したのか、ヒルトや仲間達と過ごしているユリエフの姿が映し出されていた

「情報では今、この天族は弱っており襲うなら絶好のチャンスなんだ
だが、周りにいるこの2人が要注意だな」
ドミニカが更に見せて来たのはヒルトとクライヴが映った写真

「闇堕ちはインドリームではないが、闇を操る能力者でありこの集団の中で一番臨機応変に戦える存在だ
俺はまず、この闇堕ちを無力化させておく必要があると思っている」




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