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IN DREAM2

第11章 破滅の鐘




この世界の中で自分がいつ死ぬか考え、対策している人間が一体どれほどいるのだろうか

貴族や役人、兵士、傭兵等は誰かの恨みをかうことが多い
それゆえに身の回りには護衛をつけるか、自身を鍛えて敵襲に備えている
だがそれは人口の約10パーセントしかいない

暗黒戦争のような大規模な殺戮は滅多に起きないが
人間という種が生きている以上、必ず命の奪い合いはある
それも意図的な奪い合いだ
流れんの歴史を築き上げてきた人類は知っているはずだ
なのにもかかわらず、インドリームという救世主が現れ、天族が秩序を守っていることに平和ボケし身近な危険を察知することができない

民間人だからといって罪を持たない者などいない
生まれた時点で何かしら罪を持つのが人間
醜く、哀れで、そして脆いーーーー

そんな人間のありのままの姿を体現した集団がいた
その名も“破滅の鐘”。
主に火族によって結成された殺し屋集団であるが、近年勢力を拡大し、多種族も混じり合う危険な者達
噂では魔族と手を取り、必要とあれば天族だろうと殺すと言われていた

破滅の鐘が行うのは様々であるが、どれも残酷な殺戮が行われ、現場からは血で錆びた小さな鐘が置かれている


何の為に動き、誰がどうやって作り上げたか真実は闇の中である
そして彼等は一つの任務についていた

報酬は多額の資金と物資と権力

その対象となる標的は、インドリームのとある人物の抹殺

抵抗する者は何者であっても許さない


本来なら自然を操る能力者の集団には
どれだけ報酬を積まれても殺しの対象にはしないが
今回は絶好の機会だと判断されていた

とある情報源からインドリームの1人が敵の手にやられ、魔力を大幅に消耗し、疲弊している
更に飛行船に乗って海上にいることから、戦える者は限られる

依頼人から授かった下級魔族の半数を送り込み
必要であれば自らも出向く

計画通りに進む事に暗殺者達は高揚しながら
それぞれの能力を使用して魔族の後を追い、様子を伺っていた



高台ではどこからか鐘が鳴り響き
彼等は動き出す

最後の命を削り取るその時までーーーーーー。





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