• テキストサイズ

IN DREAM2

第10章 生命の源




嵐が止み、空は晴天に包まれていた

飛行船へアランの帰りを待つヒルトはユリエフをベットに寝かし、様子をうかがっていた

極度の魔力消耗は天族だろうと負荷が大きい

「・・・ヒルト君、すみません、私・・」
「大丈夫だよ、ユリエフ
今は休んでてくれ」
「はい・・」

ユリエフは目を閉じ、深いため息をつく

「ヒルト君、私、天族が起こした全てを受け止めるつもりでした」
「・・・」
「けど、想像以上に汚れていて・・私・・・受け止めきれずに・・・拒絶しかけて・・・」
「誰だって、自分の一族や世界で起きた残虐を受け止めるのは難しいよ、ユリエフ
俺だって、同じ状況だったら心も体も疲れる」

手を握り、優しく話すヒルト

「本当に、ヒルト君は優しいですね
天界では・・こんな甘い私は通用しないので、貴方といればとてもあたたかく感じます」
「うん・・ありがとう、ユリエフ」


寝室の扉は隙間を空け、そこから見ているジェイクに
クライヴは気付いていた
心配そうに様子を伺うのではなく、観察しているその目を――――


「盗み目が好きなのか、ジェイク」
「!」
呆れた表情で話すしかけるクライヴに
ジェイクは鼻で笑いながら答える

「俺はそんな癖者じゃないぜ、クライヴ
ただ、ユリエフが心配だっただけだ」
「それなら素直に顔を見せて話せばいいだろう
別に拒絶されているわけでもないのだからな」
「いや、あの二人を見てると、俺が行くのは邪魔じゃないかなって思うんだよ
・・・一緒に旅をして間もないけど、あの二人は切っても切り離せない気がする。」
「・・・・」
「ま、深い意味はないけどな!
とにかくユリエフは少し休めばもとに戻りそうだな
安心安心ー」

手を振りながらクライヴの隣を歩いていくジェイク

クライヴが過ごしていた世界で放たれるあの〝気”と似たものがジェイクから感じていた

僅かに感じる違和感を感じ取っていたのは、クライヴだけだった


「クライヴ」

声をかけた方向に立っていたのはライセイとイリヤだった

「アランはいつぐらいに戻るんだ?」
「さぁな、そんな事を聞く前に海へ潜っていったからな」
「心配する気持ちはわかるけど、帰ってくるって信頼するもの大切だよって、イリヤは言ってるのに、ライセイはわかってくれなくてさー」

両手を上げながら話すイリヤは少し呆れた表情をしていた



/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp