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IN DREAM2

第10章 生命の源





「そうよ!
一度死ねばその魂を現世を呼び戻し、永遠に縛ることができるのよ!
素敵じゃない?
勝手に島を沈めたり、あたしから離れていく者は誰もいなくなる。
そしてこの島は使者の島と呼ばれ、多くの種族から恐れられ誰も足を踏み入れないでしょう!
そうすれば、私達の理想郷が完成するの!」

「狂ってる!」

アランのは双剣を繋げ、一本の剣へ変形させ、フィオレの触手の1本を断ち切る

「っ、やるじゃない」

「思い出を歪めてまで下僕にし、それが理想郷ですって?!
そんなの、許せるわけない!」
アランは剣を拘束回転させ、触手を次々と断ち切っていく
再生能力が備わっているフィオレでも追いつかないほど、拘束で攻撃を繰り出す

全ての触手を断ち切ったアランは回転させていた剣を双剣に戻し、フィオレへ向かって振り下ろす


「フッ」

「?!」


振り下ろされたアランの剣はフィオレの体を通り過ぎ
その場から姿を消す

触手を断ち切った時とは違う感覚が手に伝わる
剣と両手には黒くよごれた水が付着し、アランはそれが何なのかすぐに理解した

「水の性質を利用し、体を一瞬水へ変え、物理攻撃を無効化させたのね
黒い水は、貴方が魔族である証の色・・」
「そうよ
あたしは魔族になったことで多くの能力を得たの
死者を拘束させる力、体を強靭にさせる力、そして体を水に変え、物理攻撃の無効化・・・
そんな敵と、アランちゃんはどうやって戦うのか見物ね」

不敵に笑うフィオレ
だが、アランの表情は崩れず、握っていた剣を構え
一言も語る事ない

剣を握り、フィオレは瞳を光らせながら勢いよくアランへ向かう

「どうしたの、アランちゃん!
攻撃が効かないから、戦う士気が停止したのかしら?!」
「・・・・」
「それとも、今さらあたしと戦うことに躊躇してるのかしら?!」
「――――そうね、躊躇してるわ」
「!」

アランは両手で握っていた剣に水をまきつけ、フィオレへ目掛けて突き飛ばす

「くっ!」

瞬時に水へ姿を変え、剣がアランの手元に戻った瞬間体をもとに戻すフィオレ
だがその瞬間、湖の水がフィオレの全身を被い閉じ込める
「な・・んだと?!」

その水はアランの意志に従い、水中の酸素を奪っていく

フィオレへ背をむけていたアランはゆっくりふりむき
涙を流しながら、見つめていた

「ここまでよ、フィオレさん」


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