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IN DREAM2

第10章 生命の源




暗い洞窟を抜けた先

そこには湖が突如現れ、天井は空洞になり、荒れぶるう空が丸見えになっていた

雨が降り始める中、湖の奥にそびえ立つ水の女神の像は空を見上げ、両手には曲線をえがいた剣と
下半身は人魚だった

「水の守護神、アプサラス・・・」

「そう、彼女はこの世界で最初に水のインドリームとして目覚めた存在。」
「!?」

ふりむいた先には、洞窟の入口には、静かに立ち尽くすフィオレがいた

「アランちゃんは、どこまで教えてもらったの?
水族の元へ行き、守護神や族長と会い、水龍の瞳を授かったんでしょ?」
「・・・えぇ、水族の歴史と、暗黒戦争での戦いや、フィオレさんたちが追放された理由は聞き、過去の映像としてみてきたわ。
だからって、アタシはわからないの・・
過去の思い出をこの島で繰り返すことが、本当にあなたの夢なの?」

悲し気に話すアランに、フィオレの眉がわずかに動く

「・・私は、それが過去の繰り返しでも・・いいわ・・あの日に戻れるのなら、なんでもいいわ
水族の性質上、闇の力をつかえば幻想を造り出し、死人とも暮らせる今、この瞬間が夢を実現させる一歩手前なの」

「水が映し出すものは幻想じゃない。」
「・・・・。」
「水が映し出すもの・・・それは、真実よ!」

再び双剣を構えるアラン
フィオレは腰につけていた剣を右手に
腰からは触手をうねらせながら身構える

再び激しくぶつかり合う両者

アランは悲しみと怒りがまじりあった感情で剣を握り、触手やフィオレの剣技を防ぎ、はじき返して攻撃を繰り出す

頬をかすろうと、躊躇なく戦うアランの表情に
フィオレはニヤつきながら口が裂けて呟く

「あー・・
いいわ、アランちゃん
その顔で私と戦ってくれるなんて、本気のようね」
「当たり前でしょ。
アタシは、フィオレさんを止めるためにここにいるのよ」
「いいわねー、そのゆるがない気持ち。
・・・だからこそ!」

「?!」

「その肉を切り裂き、刃向うような生意気な目をえぐり取り、臓物をえぐり取って私の下僕にしてあげるわよ!
あの子たちのようにねっ!!」


瞬時に背後へ回り込んだフィオレ
触手を地面に当て、勢いよく吹き飛ばされるアラン

「っ!」

体勢を変え、岩肌に両足をつけてすぐにフィオレへ反撃をくりだす

「あの子たちとように下僕にしてあげるですって?!」


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