• テキストサイズ

IN DREAM2

第10章 生命の源




「こいつらも、フィオレさんの能力で現世に呼び戻された死人達なのか?!」
「そうだろうな
あの魔族を倒さなければ、こいつらも止まらないだろう」

先に武器を構え、目のまえの敵を躊躇なく倒したのはクライヴだった

「!」

「何突っ立っているヒルト!
やらなければ、やられるだけだ」
「え、あ、あぁ!」
「イリヤ、ユリエフを守ってろ
今のユリエフは・・危険だ」
「え?」

クライヴとヒルトは武器を構え、襲い掛かるゾンビを薙ぎ払っていく

首や胴体を切り落とされようと、再び再生しては襲い掛かる

「こいつら、もしかしてフィオレさんを倒さなくちゃ終わらないのか?!」

大剣を構えながら不安気に話すヒルト

対して冷静に周囲を見渡すクライヴは、この光景に見覚えがあった


「媒介物は、ユリエフの魔力か・・・」
「?!」
「ヒルト、奴らの動力源はフィオレじゃない
あくまでフィオレは術を発動させただけにすぎない。」
「どういうことだよ、クライヴ!」

「かつて、闇族で死人の魂を無理矢理現世へ呼び戻し、自在に操る禁忌の術者がいた。
奴は闇の力に溺れ、魔族と化し、霊体となって暗黒戦争へ参加した死者使い・・・
そいつの術では、死人を動かすのに別の人間の魔力を生贄とし、その魔力を動力源に使用した。
もし、フィオレが天族に移植された闇が、死者使いのモノであり、魔族化しているならその力をつけてもおかしくはない」

「だったら、その媒介物の存在は・・まさかユリエフ?!」
「おそらくな。
ユリエフを狙っていたのは個人的な恨みだけでなく、真の目的はこの術を発動させるためと考えられる」


ゾンビの頭部に大鎌を突き立て、死体を蹴り飛ばす

「こいつらを殺すことはできない。
あくまで〝相手になる〟ことだけができることであり、致命傷を与えれば、さらに魔力を欲しがり、ユリエフを苦しめるだろう」
「!」
「極力、奴らに致命傷をあたえず戦う。
でなければ、ユリエフが死ぬ」
「そんな・・・」

ヒルトはすぐにでも敵を倒し、アランの加勢へむかいたい気持ちでいっぱいだった
共に戦うと約束したはずが、こんなにもすぐに実現できない無力さに歯がゆい思いをもっている

「ヒルト、意識を集中させろ
目の前の敵を倒し、ユリエフを守るぞ!」
「・・・あぁ!」



/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp