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IN DREAM2

第10章 生命の源




「どうしてわからないかな、アランちゃん
この世界は歪んでいるのよ」

瞳を赤く光らせ、フィオレの姿は異形へ化けていく

頭部には二本の棘がついた角を
全身が鱗で覆われ、赤褐色の身体の腰から蛸のような触手を生やし
同時に空と海はあらあらしく乱れ
雷がアランとヒルトの間に堕ちる

「っ・・ヒルト!」

アランが振り向いた時、雷はイリやが出現させた大地の壁によって塞がれていた

「アラン、俺たちは大丈夫だ!」
「気にせず、目の前の敵と戦って!」


イリヤとヒルトの言葉にアランは頷き
フィオレの元へ一気に距離を近づける

双剣をフィオレに振りかざすが、固い鱗のせいでわずかな傷しかあたえれないアラン

「くっ!」

距離を保つように離れるアラン
だが、瞬きをしたその瞬間に、フィオレは目前に迫っていた

「?!」
「こんなものなのかしらね、アランちゃん」

首を掴み、遺跡へ投げ飛ばされるアラン
「がはっ?!」

僅かに口から血を流しながらアランはすぐに立ち上がり、遺跡の奥につながる洞口へ足を進める

「・・・誘っているのね、アランちゃん
いいわ、ついていってあげる」
フィオレはアランを追いかけるため
勢いよく地面をけり上げ、洞窟の中へ進んでいく

「アラン!
俺たちも行かなきゃ・・!」

ヒルトは腕の中で力を失くし、意識が朦朧としているユリエフを守りながらアランの元へ向かおうとする
だが、ユリエフは腕を掴み、何も言わずに静かに震えていた

「ユリエフ?」
「あ・・ヒルト・・君・・私・・」
「・・・大丈夫、アランは必ず助けて戻るから」

ヒルトはユリエフを抱きかかえ、近くの木に寝かせる

「ヒルト君、ユリエフちゃんの顔色・・」
「わかってる、イリヤ
アランの体調が悪いのは気付いてる・・
けど、今の俺たちやこの場所では休ませることは・・・!」


「テンゾクダ」

「?!」


茂みの中から異形となった水族の死体が動き
ゆっくりとヒルトやユリエフ、イリヤ、クライヴへ近づく

「コロス」
「ニクイ」
「テンゾク」
「コンナ姿にナッタのは・・テンゾクのせいだ」

子供から老人までのゾンビが錆びた剣を持ち、近づく
ユリエフを守るように円陣になるヒルト、イリヤ、クライヴ




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