第10章 生命の源
「アランちゃん、メリッサとは会てきたわよね?
そこで全て真実を見せたはずよ
貴方と別れた後の私の真実を。」
「えぇ、見たわよ!
それにメリッサの本当の姿もね!
・・だからって、アンタの夢を実現させるわけにはいかない。」
「アランちゃん、水族や多くの種族が闇に堕ち、魔族になった原因は闇族が発端だとしても
それに便乗して数を増やしたのは紛れもなく天族なのよ?
それなのに奴らは戦争に勝利したからと言って、多くの規制を設け、人を縛り、空の上で平然とした顔で暮らしてる。
夢のように楽していきても許されるなら、あたしだってあの時に戻り、覚めない夢につかっていたいわよ」
「そうね・・だからって、ユリエフを傷つける理由にはならないし、アタシはフィオレさんの夢に一緒につかるつもりはないわ。」
双剣を構え、アランは水を覆い、フィオレへ揺るがない眼差しを向け続ける
「この島で、メリッサやあたし、アランちゃんとあの日のようにずっと過ごしていたいわ
そうなれば、インドリームやあなたの大切な者は傷つけない。」
「嘘はやめてよ。
だったらどうして――――」
アランは右手にもっていた剣を真上に投げ飛ばし
空中で姿を消していた闇の異形に突き刺さり、フィオレの足元で倒れる
「こんな魔物を潜ませる必要ないでしょ?」
蝙蝠のように両手から翼をのばしていた異形はフィオレの影に溶けてゆき
突き落として剣はアランの指の動きに合わせて回転し
フィオレへ躊躇なく襲い掛かる
「くっ!」
ユリエフを突き飛ばし、距離をおくフィオレ
アランの剣はユリエフを拘束していた鎖を断ち切り
よろけるユリエフをヒルトが抱き寄せる
「大丈夫か、ユリエフ?!」
「え、えぇ・・
ありがとうございます」
「ユリエフ、安心するのはまだよ」
自律的に動いていた剣はアランの手元に戻り、再び身構えた姿勢になるアラン
剣の柄頭から糸のように細い水がアランの指に巻き付いている
「なるほど、水と剣を繋げ、手から離れても自在に操るのね
さすが、アランちゃんね」
「フィオレさん、あたしは貴方を終わらせる」
「フッ・・・生意気なこと、言ってんじゃないわよっ?!!」
フィオレは腰から異形の鱗で覆わせた触手を8本生やし
アランへ目掛けて攻撃を繰り広げていく
全員が飛び、攻撃をかわしていく