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IN DREAM2

第10章 生命の源





「ヒルト、お願いがあるの」

アランは歩みを止めることなく、ヒルトへ背を向けながら話す

「フィオレさんとはアタシだけで戦わせて。
どんなことがあっても、手助けをしないでほしいの。」
「アラン、そんなの・・・っ!」
「危険だってことぐらいわかってるわよ
傷を負えばアタシ一人じゃ癒すこともできない
けど、今のフィオレさんが求めてるものに応えれるのは
アタシだけなのよ。」
「求めてるもの?」
「そう。
アタシにだけ過去を見せ、こんな島を作り上げてる時点で
あの人は平和なあの日を求めてる。
あの日に戻りたいって思ってるのよ
でなきゃ、こんな回りくどいことしない」
「――――確かに、フィオレさんを知っているアランなら
過去の苦しみを理解して向き合えると思う。
だからって一人で戦うのは違うだろ!」

ヒルトは背を向けるアランの肩を掴み
振り向かせる

「俺たちがここに来たのはユリエフを助けるためだけじゃない
アラン自信を助けるためだ!」
「アタシを・・助ける?」
「そうだ。
誰だって辛い過去はある。
それをアランは一人で背負い込んで、何でも一人で解決しようとしてる
そんなことすれば、いつか必ず壊れる!
そうならないためにも、俺たちがいるんだろ
でなきゃ、なんのための仲間なんだよ!」
「――――ヒルト・・・」

アランはしばらくうつむき、言葉を失う
ヒルトから向けられた気持ちを整理しきれず、どう対応すればいいのかわからなかった
それでも仲間を守り、どの種族も平和に暮らせる世界
命の奪い合い等怒らない世界を作り上げるという夢を実現させるためには
一人の力ではどうにもならないことを考える
インドリームとして仲間と共に旅をし、人ではないリザードマンを助けたり、闇堕ちでも友であるクライヴを命がけで救う光景を思い出す
獣族の国では大切な人を守る為に命を懸けた一人の男のために
ヒルトは力をかした―――――

「・・あんたなら、本当に世界を救えるのかもね」
「え?」
「ごめんなさいね、ヒルト
アタシ、すこし考えすぎてたわ
シンプルに考えればわかることよね
皆を救うには、一人じゃだめなんだってことくらい。」
「ああ、俺だって一人じゃ何もできない
そのための仲間がいるんだ
フィオレさんも、ユリエフも、この島も救おう!」
「ええ、そうね!」



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