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IN DREAM2

第10章 生命の源




「っ・・・!」
「答えなくても触れただけでわかるぞ?」
「だったら・・何よ!」

アランは火傷をする両手から水を吐き出させ
青年の両手から放たれる熱を下げ、抵抗し続ける

「その力ーーーー
まさかインドリームか?!」

青年は締め上げる手の力を緩め、アランから少し離れ
目の前に突如、灼熱の業火をつくりあげる
「なっ!?」

炎は周辺の植物に移る前に消え、まるで手品でも見せられている気分だった

「先は襲って悪かった
俺の名前はジェイク
炎を司るインドリームだ」
「炎のインドリーム?
でも火族のアンタは、闇族や龍族と手を組んでるのよね?」
「確かに、火族は闇族に雇われ戦争に参加してるけど
だからって俺はお前を殺しはしないぜ
・・お前が俺を信じてくれるならな。」
「じゃあさっきはどうして襲ってきたのよ
確実に殺そうとしてたじゃない」

警戒するアランは腰につけていた短剣に手を伸ばし
ジェイクを睨みつける

「殺すつもりじゃない!
何者かわからなかったから、確認したかったんだ
・・俺だって、一緒にいた仲間を天族に殺されて一人だったから
少し警戒したんだ」
ジェイクはフードと口元を隠していたマスクを外し
素顔を見せながら必死に話す
アランはまだ心を開く事ができない中でいたが
一人で戦場を逃げていたインドリームという状況に
わずかに同情を覚えた

「・・アンタが敵じゃないっていうなら、ここじゃない場所で話を聞きたい」

短剣を握りしめたまま、アランはジェイクと共に行動し、次第に仲間として心を開いていく
当初はインドリームの力をコントロールし、強くなった暁には
水族の元へ戻り、フィオレやはぐれた仲間達と合流するつもりだったが
インドリームとして生き、世界を救う事が使命と感じていたからこそ、かつての仲間を探すという気持ちは薄れていっていた





そして今、インドリームと旅をしてから再会すると
魔族化していた仲間がいる
沈めた島を作り出し、死んだはずの魂を強制的に現世へ戻している
さらに同じ水族であるアランには生前の姿で見せていることから
確実に罠であることはわかっていた
そしてフィオレの背後には強力な別の敵がいることもーーーー。

それでも歩みを止めなかったのは
己にしか止める事が出来ず、フィオレが求めていたものも気づいていたからだった



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