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IN DREAM2

第10章 生命の源




「仕方ないよ。
昔はあたしも何も出来ず闇族に殺されたし、アランちゃんもインドリームの力をコントロール出来てなかったから。
けど、今は違うよね?」
「え?」
「今ならあたしやフィオレさんを助けてくれるでしょ?
アランちゃんにはあたしの姿が当時の姿に見えてるだろうけど、あの人達には今の姿に見えてるらしいし、それが真実なんだよ」

メリッサは後ろめたい表情をしながら、ヒルトを見つめて話した

アランも同じく目線を向けると
不安気にこちらを見守る仲間の姿がある

フィオレの過去を見ただけでしている表情ではなく
確実に敵と相対している時の緊張感が走っていた

「どうしてそんな顔するのよ」

アランは怪しむようにヒルトへ近寄り、小声で話しかける
メリッサには聞こえない程の声量に
ヒルトやクライヴ、イリヤも気を使いながら応える

「アランにはどう見えてるかわからないけど、
俺やクライヴ、イリヤには腐敗した人魚の死体が
呻き声を上げながら声を発しているにしか見えないんだ。」
「・・・は?」
「あのね、アランちゃん
イリヤ達にはあの人がなんて話してるかわからないから、代わりに教えてくれると助かるかな」
「どちらの姿が本物か見分けがつかない程
アランも鈍くないはずだ。
死人がどうやってここにいるのかわからないが、目的を見失うなよ」

「目的は・・ユリエフの救出と・・」
拳を握りながら改めて島に来た理由を考えるアラン

無くなったはずの島の出現
死者との再会
状況を整理した上で一つの言葉を思い出す

ーーーーー見極めが必要だ

水族長と会った時に言われた言葉は
今のアランにとって必要不可欠であり
見極めができなければ闇に流され、夢すら失くす可能性がある

「・・大いなる水よ
闇を払いのけ、真実を映し出せ。」

海水に人差し指を浸し、小さく呟くと
螺旋状に描く海水は蛇のように空中を蛇行しながら
メリッサの周囲を纏わりつく

「・・・」

抵抗なく佇むメリッサの全身を海水が覆う

「ーーーえ、うそ・・でしょ」


水が映し出すのは真実の姿
よって、メリッサの本来の姿が水を通してアランにも見えるようになる

腐敗した人魚の死体が
操られているように佇む不気味な姿が。

「何であたしにだけ、メリッサの過去の姿で見えてたの?
それに、水を無くせばまた生前の姿に見える。」





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