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IN DREAM2

第10章 生命の源


「それで、何の用なのかしら?
こんな戦場で魔族になった者達に興味なんて湧くの?」
「あっははは!
わくにきまってんじゃーん!
だからこうやって会いに来たのよ
ただ、救う方法を教えてあげたいって思ってるけどね。」

ルキュリアの救う、という言葉に僅かに眉が動くフィオレ
誰よりも救いを求め、汚れた魂の使い道を知りたかった
藁を掴む気持ちで、息を飲み込みながら問いただす
「救う方法があるの?」と。
「あるよ。
それはねーー」

ルキュリアが説明したのは、シンプルだった
水族が持つ秘宝をとある島に捧げるか
人魚の生き血を捧げるか
または天族の生贄を捧げるか

秘宝か人魚の生き血を捧げれば、乾いた鱗は潤い
例え人間になっても再び人魚の姿になれる

だが、天族の生贄を捧げれば人魚にも戻れる上に
魔族という呪いも解くとのことだった
汚れた魂は清められた魂で相殺する
この理は世界を作り上げる基礎となり、覆されることはないのだという
天族が己に溜まった闇を、清い魂の水族に移植したのなら
水族が受けた呪いは天族の命によって消滅する

絶望に満ちていたフィオレにとって
信じるしかなかった
死ぬことが許されないのなら
せめて呪いなどなく、生きたい

ルキュリアから渡された古代地図には
生贄を捧げる場所の指定がされており
その場所はフィオレにとって見覚えのある
かつてアランが沈めたメーヴィ島であった

「この島、今はないのよ?」
「だったらもう一度作ればいいよ
魔族の呪いは同時に新しい能力を備えさせれるんだよ
これからフィオレさんには強力な力が目覚める
だから、それで全てが上手く進むよ」
「・・能力なんて、使い方が・・」
「大丈夫」

ルキュリアは羽織っていたマントをフィオレにかぶせ
首を鷲掴みし、締めていく
「っ?!」
「これから水族の残党がいる事に気付いた闇族が
ここへ来て、貴女を犯し、その綺麗な身体を更に汚していくよ
戦いに身を投じ、潤いを忘れた男達がフィオレさんみたいな
女性の身体を見たら理性なくすよ。
それに、天族に既にヤラレた後らしいけど、マント一枚で裸に近い姿だったら大丈夫
男はあの汚いものを身体の中に入れて、自分達の欲を満たす。」
「な」
「だーかーら、そうなった時は憎めばいいよ!
自分達を見捨てた一族を。
道具のように使い捨てる天族を。
この世界の仕組みそのものをね」


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