• テキストサイズ

IN DREAM2

第10章 生命の源




「・・・あの3人はメリッサの事を知らないからね
大丈夫、敵じゃないわ
あたしの大切な仲間なの」


「ーーーだったら、あの天族の女の子を助けにきたの?」
「!
ユリエフのことを知ってるの?」
「知ってるよ
この島で目が覚めた時、天族の子が泣いてたから・・」
「!?」
「天族には辛いのかもね
一族が裏で酷いことしてるって知ってしまったから」
「メリッサ、どういうこと?
私だけじゃなくて、ヒルト達にもわかるように説明してよ」
「ーーーー。」


メリッサは暫く黙り込み、海へ入っていく
腰まで水につかるとつむがれていた口は開かれ
真実が語られた

「水族が闇族に敗れ、メーヴィ島が沈んで数ヶ月後。
地上で生き残ったフィオレさんと仲間達は
土族の加護を受けることなく、己の力だけで乗り越えようと
息を殺して過ごしていた」


メリッサはうちつける波を見つめながら
悲しげに話す

海はメリッサの話に合わせるように過去の映像をみせる
その映像はアランだけではなく、ヒルトやクライヴ、イリヤにまで鮮明に見えた


闇族に追われて逃げ惑う水族
土族は海を制覇した闇族が地上に主力部隊を送り込み、火族と合流したことで戦況が悪化ーーー
土族は大陸の4分の1を放棄せざるを得ないほど追い詰められ
同族以外に警告を伝えることなく、撤退した


「同時、大陸の覇者と言われた土族の守りは堅くて、火族だけじゃどうにもならなかったの。
だから暗黒戦争で戦えない小さな多種族や難民達が逃げてきて
土族の砦や遺跡にまで、多くの非戦闘民族で溢れていた」

砦や遺跡の中で食料が足りず、痩せこけていく者達
中には餓死してしまい、死体を土に埋めてられている光景も映し出される

「そして、闇族の主力部隊が合流し、砦や遺跡は崩壊。」


堅固な砦や遺跡が次々に業火に焼かれ、跡形もなく粉砕されていく
砦から逃げ出した民族を、火族は生け捕りに。
闇族は食用として捉えてゆくーーーー。

そして大陸の遠い場所で赤黒く光る闇が爆発を起こし
膨れ上がる魔力の球体は周囲の有機物全てを無に帰した

闇族以外に何が起きたのか理解できる者はいない
それは同盟を結んでいた龍族や火族にも明かしていない事であり
極秘裏に進めていた計画だった

「あの日、世界は終わると誰もが思ったの
闇族の領地から突如現れた、闇の化け物のせいでね。」



/ 820ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp