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IN DREAM2

第2章 風を司る者


多くの人々が女性を退けようと罵倒する
「わかりました。
教えてくださらないのであれば、私一人でなんとかします。」
女性は群衆を避け、人混みから逃げるように歩こうとすると、男が後ろから襲い、女性のフードを剥ぎ取った
「!」
女性は慌ててフードをかぶり直そうとするが
目の前の男に髪を鷲掴みされ身動きを封じられた
「いっ…たいっ!!
やめてください!」

白い長髪を無理矢理引き上げられる女性

男達はこの女性がどこの種族の者かすぐにわかった




黄金の瞳に、白い髪を持つ種族は一つしかなく

この地には住まない、いまや伝説の種族




天族だ




「はっ…ははは!
こりゃすげぇ!
あの天族をこの目で見れるなんてな!」

「天族の髪は闇で汚染でもしねぇ限り、永遠に真っ白で
魔力を宿してるってきいたことがあるぜ?
寿命はどの種族より長く、眼球は宝石いく億分とまでなるんだろ?」

「なら、この女一人で…億万長者になれるのか?」




天族を見たもの達は次々と天族の伝説と

その価値を口にした










「やめろよ」




群衆の中で、一人だけ違う意見を言う者がいた



「そんな都市伝説、信じてるのかよ。
ぜんぶ嘘に決まってるだろ。
それに、痛がってるじゃないか。
放してやれよ。」




ヒルトは女性のほうへ歩きながら
怒りを必死に隠しながら話した

だが、ヒルトの言葉に多くの者はあざ笑いながら
女性を離そうとはしなかった




「なんだガキ、てめぇよそもんだろ?
旅人風情が口だしてんじゃねえよ!」


ヒルトを多くの大柄な男達が囲い
睨みながら話した


一人の男がヒルトを殴ろうとしたとき
男は一瞬で宙に舞い、近くの農園に吹き飛ばされた



「?」
「なんだ?」
「吹き飛ばされ…いや、浮いて飛ばされた」



「俺は風を司るインドリーム、ヒルト・クローズ。
これ以上、この女性を傷つけようとするなら
いくらでも相手になるぞ」


声を低く、ヒルトは多くの群衆を睨みながら話した



「ひっ…」


恐怖を感じ取った人々は急いでその場から逃げ出した





ヒルトは完全に群衆が消えるのを見送り、
天族の女性に手を差し伸べた



「大丈夫か?」

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