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IN DREAM2

第10章 生命の源





「ヒルト!
あの島がユリエフちゃんが連れ去られた所?」

風に包まれながら高速で移動するインドリーム
先に目的地が見えたのはイリヤだった

「多分、あそこだと思う
だよな、クライヴ?」
「あぁ。
フィオレが地図で示していた場所だ
それに、魔族の気配とユリエフの魔力も感じる」
「みんな、あの島に降りるぞ」

ヒルトは風を操作しながら
ゆっくり島に降り立ち、白く輝く砂浜に足をつける

日の光を浴びることで砂浜は煌めき
きめ細かな砂浜は靴からでも心地よさが伝わる
エメラルドグリーンの海の下にはサンゴ礁が透けて見え、小さな魚達が泳いでいる

「すごーい
とっても綺麗な島なんだね
アランちゃんはこの島は知ってるの?」
「ーーーー」
「アランちゃん?」
「イリヤ・・あたし、ここ知ってるわ
いや、知り尽くしてる。
だってここはあたしが昔過ごしていた島の、メーヴィ島・・・
でもどうして?
あの島は暗黒戦争の時に沈めたはずなのに。」

アランは震える拳を力強く握り、島の周辺を見渡す
過去と変わらない景色
静かな波の音
人が立ち寄った痕跡がない無人島

変わるといえば、人魚他の生物はおらず
生命力を感じない

「まるで島だけを過去から切り取ってきたみたいな感覚ね」

目を凝らしながら話すアラン

「この島には水の守護神を祀る祭壇が島の中心にあるわ。
ユリエフが連れ去られたのが、呪いを解く方法のためだとしたら
そこにいるかもしれない」
「水の守護神を祀る祭壇って、昔何に使われてたんだ?」
「風族にはそういうのなかったの?
一族の守護神を祀り、繁栄を祈ったり厄除けを祈願するのよ」

空を見上げ、微風を感じるヒルトは目を瞑り答える

「風族にも守護神はいるし、敬うことはある
けど、常に世界中を旅している風族は固有の領地を持たないから、
祭壇も作らない。
だから、他種族がする厄除けの祈願もわからないな」

「・・・ヒルト、アラン、イリヤ
誰か来るぞ」
「!」

クライヴは大鎌を持ち出し、森林から姿を現わす人影に警戒した


両足は靴など履かず、裸足であり
簡易的な布でワンピースを着た少女の瞳は宝石のように輝き
こちらを見つめている
小さな両手を大きく広げ、少女は勢いよくアランへ向かって走り出す
「アランちゃん!」
イリヤは大地を踏みつけ、少女に攻撃を加えようとする
「待って!」



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