第10章 生命の源
風が吹く中、飛行船で合流したインドリームは
状況の把握を含め、起こった出来事をお互い話し合い
ユリエフの救出を最優先にすることにした
「フィオレさんが魔族だったなら、向かう場所は地図で示した島よね」
水族から入手した水龍の瞳を握りしめ、遠い場所を見つめる
「けど、その島がどこにあるのかわからねぇんだろ?
地図がある船はさっきの魔族と一緒に沈んで粉々だし、方角も検討がつかない
それにユリエフがいない以上、飛行船を動かすことはできねぇしな」
太ももに包帯を巻きながら呆れた表情でこたえたライセイ
誰もが八方塞がりだと感じている中、先に案を出したのはクライヴだった
「いや、島の位置ならわかる
ここから数キロ離れた小さな島であり、南南東の方角だ」
「!」
「クライヴ、どうしてそんなことがわかるの?」
「アランと、ヒルトを待っている中
俺は闇の風を使って周囲を探索していたからな
フィオレの話が真実なのか、疑っていた・・・
実際、島は実在したがな」
「すごーい!
海賊に変に話しかけられて
嫌になって飛行船に帰ったんじゃなかったんだね」
クライヴの話に目を輝かせながら感心するイリヤ
同じくインドリーム全員が同意する中
クライヴは軽くため息をつき、気をとりなおして話を進めた
「島へ向かうにはヒルトの風の力で飛ぶ必要がある
飛行船をここに置いて見張りがいないと、いざという時に敵襲があった時のためにチームを二手に分ける必要もあるだろう」
「だったら、俺とライセイが飛行船に残るのはどうだ?」
「は?!
なんで俺とジェイクなんだよ!
俺だってもう動けるし、見張りなんて一人でいいだろ」
「まぁまぁライセイ
そんな怒るなよ。
俺もその方がいいと思うし、今回は待っててくれないか
流石に一人で任せるのは何かあった時に大変だし、炎の力と雷の力があれば水上でもまだ戦えるだろ?」
苛つきを見せながら、ライセイは舌打ちをし、ヒルトに宥められ仕方なく承諾した
「決まりね
島に行くのはあたしとヒルト、クライヴ、イリヤ。
飛行船に残るのはライセイとジェイク。」
「よし、だったら俺の風で向かえばいいんだな
風よ、我等を包みたまえ!」
ヒルトは風を巻き起こし、己を含める全員を包むと体を浮かせ
クライヴが支持する方へ飛んで行く
飛行船に残るライセイとジェイクは見届け、無事に戻ることを願っていた