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IN DREAM2

第10章 生命の源




「それなら、アランに任せよう
今のあいつなら、この魔族を倒せるはずだ」
「・・了解した
俺の力ではあいつの邪魔になるだろうしな」


クライヴとヒルトは波の壁の向こう側で立ちふさがるアランから距離をおく


足元に水の玉を纏わせ、波の中で闇を除き去っていく様子を心配そうに見つめるアラン
その背後には巨大な魔族は待ち構え、額からは巨大な大砲が出現した

「この水で浄化できなかった命は堕ちるけど、その体は大いなる水へ戻り、魂は新たな命へ転生をする
けど、魔族となってしまった者は転生へはできるけど
その肉体は水へ戻れない。
・・そうまでして、闇に堕ちる必要があったの?」

魔族へゆっくり振り向きながら、アランは冷静に話した

その言葉に魔族は高らかに笑いながら一言、応えた
「お前にはわからねぇよ」と――――。
中傷する魔族は正気が失われ、大砲をアランへ放った

黒く染まる鉛の弾は発射後すぐに分解され、小さな銃弾となるが
その数は蚊の群れのように小さく、無数に散弾していく
一つでも当たれば闇の魔力により、大きな傷を負うことになる
避ければ銃弾が海へ落ち、水族やその眷属となる生き物たちが影響がおよぶことになる
どちらも避けて通れない攻撃
そしてアランは迷うことなく、魔力を大きく開放し、巨大な津波を発生させた

「大いなる我が海よ
悪しき魔を飲み込み、清き魂へ導きたまえ!
水の浄化道≪アクア・トランセンティ・プリフィカル≫!」

「!」

30メートルある巨大な魔族は更に見上げるほどの津波
おおよそ60メートル程ある高さの波が魔族と散弾する銃弾を丸ごと飲み込んでいく
そして魔族と銃弾一つ一つを分けて水の中へ閉じ込めた

「ぎっ・・ぎざま゛ぁぁぁ!
ごぼぁ!」

水中の中で息をできず、もがき苦しむ魔族
その水の玉の上でアランは立ち、双剣を一つの剣へ重ねて変形させ
勢いよく額にある魔力の核へ突き刺した

奇声を上げながら消滅していく魔族
同時に肉体と銃弾は灰になり、水の中で漂う砂のようになった

やがて灰は消えてなくなり、アランは能力を解除し、ため息を深くつく

ため息により、肩が大きく落ちた様子は
離れた場所にいたヒルトとクライヴには見えるほどだった


「遅くなってごめんなさいね、クライヴ
一度話したいこがあるから、飛行船へ戻りましょう」

「・・・わかった」


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